マスターの家は何と言いますか…質素…いえ、庶民的と申しますか、
今はお一人で住まれていると言う話を聞いてからは更に物寂しく見えました。はい。言えば間違いなくお怒りを買うことになるでしょうからこのヘルメス、頑として口を開きませんでしたとも。ええ
ご自宅に連れて帰ってもらい、まずはお互いを知るために会話を交わすことにしたのです。発案者は私です!
まずはマスターの人となりから知りたかったのですがその前に気になったこの辺りの地理について訊いておこうと思います。
宿場町程ではないですがこの辺りも夜になればゴロツキ達が彷徨いたりするようで、あまり遅くに帰っても危ないらしいですから。
『しかし安心してくださいマスター! これからはこのヘルメス、マスターに仇成す者たちを流水の力でなぎ払っておやりましょう!』
「あー、それなんだがなヘルメス」
『何か!』
「テメェは本当に神様なのか?」
なんと!?我がマスターはまだ信じてくれてはいなかったご様子!これには少し私も寂しい思いをいたしましたよマスタああああ!
「こんなに喧しい神様ってのは本当にいんのか」
『いいえ!私が西洋神の中でも特筆して異質なのです!』
「自覚あんのかよ」
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