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「#幼馴染」のBL小説を読む
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ルナティエ


!夢主不在

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多分、ディノアスはナマエのことが好きなんだと思う。
俺の推測に因った話だが、

戦闘中はいつも、戦えない彼女の近くにいて応戦していることが多いし、
移動中も、まるで自分は風除けだと言うようにナマエの前を歩いていたり、
就寝中も、俺と交代で不寝の番をする時になれば必ず眠っているナマエの傍に腰を下ろしていることが多い。
俺と話すときはもっぱらルナティエと共同で俺をおちょくって来るが、
ディノアスがナマエと会話をしているときはいつも心なしか声音が柔らかくなっている。
これらの事は全て、あいつがナマエ相手にしかやっていないことだ。


俺はいいと思う。
確かにディノアスは言動も生意気と言うか、いつも俺のことをおちょくったりしては来るがまあ、うん、良い奴、だから、もしも本当にディノアスがナマエのことを好きでいるのならその想いを 相棒として応援するのは当然のことだ。

だがもしもこの一連のことが俺の勘違いならどうする?

ディノアスは、ゴーレムだ。
だから表情の変化とか、感情の起伏と言うものが、外野には分かりづらい。
それに俺にはよく分からないんだが、"ゴーレム"にもそう言う、恋愛感情を抱く事があるのだろうか。




『 で、なんでアタシなのよ』
「同じゴーレム同士だから詳しいんじゃないかと思って」
『知らないわよ。て言うか興味ないし』
「そう言わずにさぁ」


ちょうど良い日陰を見つけたので暫くの休息時間中、保存していたスイーツを貪り食いながら暇していそうだったルナティエに話を持ちかけてみたが案の定厄介者扱いされた。
でも今日の俺はめげないぞ。この問題をハッキリさせておきたいのだ。


『大体コイバナ振る相手間違えてんじゃないの?アタシよりリュミールとか花梨の方がいいじゃん』
「リュ、リュミールとこんな話するのなんか無理だって!」
『恥ずかしいから? ハ、とんだボンクラね』
「うるさいぞ!」
『ボンクラ、ボンクラ』


やっぱり、至福のスイーツタイムを妨害されたことでルナティエの気分がすこぶる悪い。
でも普段はもう少しマトモと言うか、邪魔をされても少しぐらいは聞く耳持ってくれる筈なんだが今日はどうしたことだろう。いつもの1.5倍くらい機嫌の悪さが高いような気がする。



『………ディノアスは、ナマエのこと好きでしょ。どう見たって』
「えっ! や、やっぱお前もそう思うんだな!よかったー俺の見る目もなかなかだろ」
『うっさい。もうこれ以上この話題続けたらマジで怒る』
「なあ、どうしてそんな機嫌悪くなってんだよ。何か嫌なことでも…」

『五月蝿いわねもう! アタシの可愛い可愛いナマエが取られるのが嫌って言ってんでしょこのウスラトンカチ!』

「え!?今なんかナマエって書いてげぼくって呼んでなかったか?てかなんだよそれ!ただ寂しがってるだけとか…」

『バーストフレアっ!!!』

「うわあああああバカあああ!!!」






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