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斉木楠雄


僕の幼馴染はのんびりとした性格をしている。
呑気、ともまた言うがそこまでボヤボヤしてはいないのでやはり"のんびり"だと思う。
基本的に走らない。大声を出さない。驚かない。ゴキ…黒い悪魔の撃退を頼んだ時はアクティブに動くらしいが、その現場を直接見たことがないから何とも言えない。
学校でもぼやあっとしていて大方制服のポケットに手を突っ込んで立ってるのがいつものナマエのスタンスだ。
ナマエとは別のクラスだが、廊下等で擦れ違う時いつもそんな格好だ。


で、そんないつものスタンスで、ナマエは燃堂にメンチを切っている。


あの幼馴染がメンチを切っていると言う珍しい光景に(しかも相手はあの燃堂)僕だって思わず下校の足を止めてしまう。




「…………」

「ア? んだよテメェよ。んなにガンたれくれてやがってんだ ンア?」


凄い。
あの燃堂の顔を間近にしながら吐き気を催さないでいるなんて、ナマエは本当に人間なのか?
教室に残っていた海藤も「す、すげぇ…!何処からの刺客――アサシンなんだ!?」と叫んでいるが僕が知る限りナマエはアサシンではない。幼馴染の正体が実はアサシンなんてやめて欲しい


「…………」

「お、おう んなんだよ!……何とか言ってくれよぉ!」


黙ったままジっと見つめて来るナマエの視線に耐え切れなくなった燃堂の方が泣き出した。
相変わらず変なところで根性のない男だ





「……楠雄に友人が出来たって久留美さんから聞いたからどんな奴かと思ってみれば…」

は?

「こんなしょうもない男だったなんて」

ちょっと待てナマエ

「楠雄、考え直せ こんな奴を友達にするなんて間違ってる」

そもそも友人にした覚えなんかない

「しかもわざわざ燃堂をチョイスってお前…」

チョイスした覚えもないから勝手にガッカリしないでもらいたい

「ガッカリだぞ!!」

ガッカリするなと言っている




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