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デレが唐突


「おいナマエ」
「なんだ田噛。真面目に見張っとかないと後で谷裂に何ドヤされるか分から」
「眠ィから横になって俺の寝台になれ」
「は?」


聞き間違いか? 今は此処、廃病院に巣食う亡者共の制裁任務の途中−−谷裂が特攻役、俺と田噛は入口の見張り兼外からくる亡者の掃討−−であって、そんな優雅に昼寝を楽しめるような環境下では断じてない。あちこちに亡者達の死体やそこから流れ出して来た血とか体液とかが散乱してて途轍もなく衛生面に悪そうな場所だ。
そんな所であるにも関わらず、田噛は、俺に、


「お前のベッドになれって言うのか」
「そう言ってんだろがさっきから。要領悪いなお前」
「息を吐くように罵倒されたけどどう考えても今は俺が正しい。こんな汚らしい場所でお前のベッドになんかなれないって。服汚してあやこさんの後ろ口に怒られるのは俺なんだぞ。そんなに寝たいなら地べたに直接寝ろ。それなら俺も文句言わない。亡者が来たら起こしてやるから」


正論しか言わない俺に、田噛は苛ついただろうか。恐ろしいぐらいに表情と口を歪め、暫く無言のまま何か考えているような様子を見せていた。何を考えてるのか知らないが、どうせ碌なことじゃな、



「お前を敷いて寝るのが夢見がイイから頼んでんだろうが分かれよアホ」



−−−田噛に、

−−−いや、"恋人"に

ここまで言わせておいて「はいそうですか」なんて突っぱねるようなヤツがいるだろうかいやいない


「…し、仕方ねぇなじゃあ、」




「じゃあ、であるか貴様らァー!!!!」




「うわ谷裂もう戻ってきた早!!……両手で締め上げてるアレは一体…!?」
「……今回の目標亡者だろうが。 チッ、余計な邪魔しやがって……」
「あああ…田噛の機嫌が一気に急降下した……勿体無いことした……なあ、任務終わって館に戻ったら好きなだけ俺を敷いても…」
「もういい。自分の寝台で寝る」
「マジかぁ…」
「ふざけてるのかナマエ!田噛!腑抜けたことを抜かすな!!」





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