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シューティング・スター


それは巨大な星のように見えた。
市街地の方から大きな爆発音がしたかと思えば、次の瞬間ぼくの住んでいた家が大きく横に揺れた。爆風が家を揺らしたのだ。お隣さんの家が倒れてくる音がして、怖い顔したお母さんが「こっちよ!」と手を引いて裸足のまま外に飛び出した。道路にはたくさんの人が溢れ返っていて、みんな、お母さんみたいな表情をしていた。
ごうごうと燃える音が、銃撃の音に変わった。武装した兵士たちが何かを叫びながら、次々と街の至る所を爆破している。すぐ近くを走っていたおばさんに、銃弾が飛んできておばさんが倒れてしまった。僕は引っ張られて地面に転がり込む。お母さんはいない。繋いでた手が離れて人の波に攫われてしまったんだ。
もうダメだ。そう思った。
でもそれは、突然、空から降ってきた。





――You got it,Standby for Titanfall.




「 さあ仕事だジーブズ。さっさと終わらせるぞ」
『分かりました。反抗組織によるテロ行為の鎮圧、我々なら楽勝ですね』
「その通りだ」

威嚇用のチェインガンで部隊の中心を狙うと、歩兵たちはすぐさまアンチタイタン武器に切り替えロックオンをつけてくる。撃ち放たれた五発をシールドで防ぎ、熨斗をつけてお返ししてやる。たちまち辺りで爆発が起き、建物が崩壊して行く。

『破壊活動の促進はいただけませんね、パイロット』
「まったくだ。また上から注意喚起されるぞ。 俺が出て、中心部隊を片付けて来る。ジーブズお前はこのまま周りの兵たちを追ってくれ」
『分かりました、AIモード起動。これより偵察行動後、追撃動作に入ります。――幸運を パイロット』

コックピットのハッチが開いて外に飛び出る。フロンティアの保護区外だったこの街は一瞬にして戦火に包まれてしまっていた。テロ行為をさっさと鎮圧しなければならない。

「……ん?」

ヘルメットのセンサーバイザーに生体反応がある。そちらに目をやれば、逃げ遅れたのであろう人たち。

「……そうだった。ジーブズ、このポイントにも輸送船を派遣するようフロンティアに連絡しておいてくれ」
『分かりました』
「ああ、またお前は周りが見れてないって上官にどやされそうだ」



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