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堕ルシ+天ルシ


「オールバックになってハンサム度が増したんじゃないのかルシファー!」
『…………………何と俗物的な感想なのだ……』
『マスター、今のは暗に"バカ"と言われたのですよ』
「なに?照れんなって、だルシ!」
『その"だルシ"と言う名で呼ぶのもやめろ!』


――俺のルシファーが先ほど『究極進化』した。そう言われると、天使ルシファーの方は最初から『究極進化状態』であったことをついでに思い出す。
初期の頃からずっと一人で戦ってきてくれたルシファーだからすぐに強くなるだろうと思っていたら、ついに最終段階にまで到達してたらしい。
背中に付いている黒い翼の数は変わらずに、ルシファーを取り巻いていたオーラ的なものが赤く、熱くなったような気がする。


「火属性でも付加したのか?」
『……そのようだな』
「おお、これで道中の火付けが楽になるな!」
『…痴れ者め!私の力をその程度のことに用いようとするな!』
「てことは天ルシは最初から水とか出せてたのか?なら早く言えよな、飲水に困らないだろ」
『申し訳ありませんマスター 気が付きませんでしたので』
『私の話を聞け!』
『口を慎むんだな!貴様の言葉など一言一句無価値なんだぞ!』
『何だと貴様ァ…!』
『究極進化を迎えて更に悪に満ちた姿だな。お似合いだぞ、"私"よ』
『……いいだろう、まず手始めに、貴様から闇の業火に包んでやろう』
『ハ、やってみろ!』



天使たちはまた喧嘩を始めてしまった。
俺はもう慣れたもので昼食の準備と、祝・ルシファー究極進化おめでとう会を開くための料理の用意に取り掛かる。
空中戦に突入した二人の技の応酬が見える。水の力を使う天ルシと、新しく手に入れた火の力を使った技を繰り出すだルシ。普通、「火と水の関係」って良い関係なアレだと思うんだが、あの二人にはどうも当て嵌まりそうにないな。


二人から抜け落ちた白黒の羽根がヒラヒラと舞っている。鍋に入りそうだ。 やれやれ、



「俺はその姿もすげー好きだぞルシファー」


多分上空までは聞こえないだろう、と踏んでいた俺の呟きが聞こえ反応したのかどうかは知らないが、
空中で動きが止まっただルシがそのまま丁度、俺の腕の中に向かって落ちて来たのでさぁ大変だ。



真っ先に燃やされたのは俺でした。ヒールを頼む。あ、だめだうちにエンジェルいなかった



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