*サッチ記憶有





メガネの家で見たくもなかった魔法少女の映画DVDを観させられて、無理矢理だったのに感想求められて、「適度に意味が分からなかった」と返したら何故か泣かれ、喧嘩別れのような感じでメガネの家を出たのがついさっき。
その３分後、オレはトラックに轢かれた。ような気がする。だって確証がない。目ぇ瞑っちゃったから。大きなブレーキ音は聞こえたから、もしかすればメガネの家の方にも聞こえたんじゃないかなーってぐらいにしか思わなくて、ブレない自分の無気力っぷりに呆れた




「　で、ここどこ」



おかしい。
オレは、死んだら自分が天国に行ける人間だと思っていただけに、
この森林樹海にやって来て戸惑いが隠せない。天国と言うのはこんなにも緑豊かなんだろうか。目の前には海辺が広がっていて、南国のリゾート地みたいで。これが神の気まぐれ？天国を自分の好きなように設計したのか




「…………」



見間違いでなければ人もいる。あの人たちも皆死んで、ここにやって来たんだろうか



「………母さん達、悲しむかねぇ。あとメガネ、まあアイツはどうでもいいか」



オレと喧嘩別れしたことを延々と引き摺れ。「僕があの時ナマエと喧嘩してなかったら彼は…！」とか涙ながらに語ってやれ。ちょっと後悔の念に襲われろ



「はー……どうすりゃいいんだ一体…」












「　イケメン君！！？」
「………あ、サッチじゃん」


見知らぬ世界で見知った奴を見つけた。
え、でも、あれ？



「サッチお前、オレとメガネのお陰で生き延びたんじゃねーの？」
「お、おぉお陰サマでな！？　いやちが、何でイケメン君がココにいんだよ！？ココが何処だか分かってんのか！」
「…天国？」
「違ぇよ！メガネ君も言ってたろ！　ここは、"ワンピース"の世界だ！」
「……………まじかー」
「反応うっす！」


何と言う偶然か

そう言えばメガネが話してた"トリップと逆トリップの何たるか"の中に、『交通事故に巻き込まれてトリップするってのが何故か王道』ってのが記載されていたような、しないような



「ま、まさかイケメン君も逆トリしたのか！？」
「え、まじか」
「…おう？でもメガネ君が言ってたな……イケメン君のこれは、えーと、とりっぷ？ただの？」
「オレそこら辺の話ん時ぼーっとしてたからワカンネ」
「おいこらもうちょっと真面目にしろ！」
「逆トリは何やかんやで帰れるらしいけどトリップはどーなるんだ？」
「おれが分かるわけないだろ！？」



使えない。
そう思ったのがバレたのか、サッチに怒られた。久々に会った？のに前にも増して馴れ馴れしくなっているような気がするぞ



「と、とにかくおれんトコの船に来な。保護してやっから」
「…あー、白ひげ？本物はちょっと見てみたい気がする」
「………呑気だなぁイケメン君」
「だって、どうせ帰れるんだろ？オレ」
「ま、まぁ、おれも帰れたし何とかなるとは思うけどよぉ」
「あ、そう言えばサッチお前、どうやって帰れたんだ？」
「おおそうだ聞いてくれよ！　　それがな、ヤミヤミの実の能力を使ってみたんだ。次元の中に物体を取り込むっつー力があって…」



おいその話もっと詳しく聞かせろサッチ







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▼あっちこっちどっち＠if 無気力主がサッチのところにトリップしたら（出来れば恋人設定）／春野さん
リクエストありがとうございました！


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