8万企画小説 | ナノ
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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -


▼ 武人はかく語りき

*IFストーリー
*主はキッド海賊団員
*アレルギーほぼ完治済み(危機察知能力は有る)



――――








「やばいぃ…!は、鼻が、もげる…!」
「ナマエこっちへ来い!何で麦わらの船にいるんだ!」
「間違えて乗った…!降りられん…!キラー、ヘルプ…!」
「何故間違える!あああもう飛び降りるなり何なりすれば良いだろう!ほら!キッドがお冠だ!」
「ごめーんキッドー!」



「オイてめぇ麦わらァ!ウチのクルーとっと返さねぇかァ!!」
「おう、そうしてやりてぇんだけどよ、フランキーが面白がっちまっててさー」
「ハァ!?」



「おれのスゥーパァー!なボディーを見て泣き出すたぁニイチャン大丈夫かぁ?おい、おいおい。うりうり」
「た、頼むからそのフル合金なボディを近寄らせないでいただけ…かゆい!見てるだけで痒い!何だ君は!何なんだ君は!うりうりして来るな!」




何から整理すればいいんだろうか。

キラーは深々と溜息を吐いた。吐いた息が穴を通って外に流れて行くが、ちっともスッキリした気分にならない



シャボンディ諸島での昼下がり――
船員達の誰よりも先に食事を終えて席を立ったナマエが「ちょっとブラついてくる」と言って1人外に出かけて行った事がおそらくの始まりだろう

やはり気になるのか、その後すぐにナマエの後を追いかけたキッドが
手配書で見た顔の麦わらのルフィと一方的な睨みあいをしていたことと、
何故か泣きっ面のナマエが麦わらの一味のフランキーにガッチリホールドされていて
2人を追いかけ追いついたクルー達は皆一様に「はぁ?」と言いたかった。我慢出来ず言ってしまったヒートがキッドからの叱責を受けていたが、意識は向こうのナマエにあるのだろう、いつもより勢いがない





「おいクソロボ!いつまでガキみてぇなことやってんだ!メンドクセェことになる前にとっと返してやれ!」
「んだってよサンジ、人様の顔見てゲッて顔したんだぜ?不愉快だろーが」
「だからって野郎を抱いてんじゃねぇよ!見てて寒気がするわ!」
「じゃあアッチの部屋でうりうりするか」
「や、やめて、くれ…!」
「嫌がってんのが見えねぇのか!」


「そっちの金髪の言う通りだ。早くナマエをキッドに返してくれ!暴れる!」
「テメェ、キラーァ!人を何だと思ってやがる!」
「じゃあ暴れないのかキッド」
「暴れ、ねぇ、よ…!」
「暴れそうだ!頼む早く!」



黒足の説教を受けたのか、チェーと口を尖らせながら太い腕からナマエを放しているのが見えた。可哀想に、ナマエの顔は涙と鼻水でダラダラだ


麦わらの船の上で、ナマエが一時的に自由になったのが視界に映ったのか、
キッドはすぐに右腕にナマエを引き寄せる。こんな時の為にあいつのベルトに密かに金属を仕込ませていたが、よもや本当に役に立つ時が来るとは思わなかった



「グエっ!」
「怪我ァねぇかナマエ!」
「今…、したよ……首もげそう…」



人間を引き寄せることに特化はしていないので反動で首を打ったんだろう。
まあ安い犠牲だ



「大体、お前アレルギー完治したクセに何びーびー泣いてやがる!」
「な、何だろう、条件反射?」
「とっととソッチも治せ!」



怒っているキッドの相手はナマエにしてもらうことにしよう
なるべく穏便にココを離れたい。麦わらの様子を窺ったが、
「じゃーなー」と言って手を振られ脱力してしまうところだった




そしてコッチもこっちで
「男の腕に抱かれてんじゃねーよバーカ!」「アレは不可抗力だよ。キッドも見ただろあのゴツイ腕!」「うるせぇバァカ!」「キッドに言われたくない」「んだ、と…!?」
歩きながら喧嘩なんて器用なことをしないでくれ!





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▼金属アレルギー主@主を麦わら海賊団とキッド海賊団が取り合う キラーとサンジが苦労
リクエストありがとうございました!


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