8万企画小説 | ナノ
×
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -


▼ おやすみグレー

「寝てる暇なんかあるかよ。海賊捕まえんのに忙しいんだ。…イソガシインデス」




スモーカーの"こう言うところ"が人間らしくない。
目上の者に対する敬語を取って付けたように言うところはナマエも気に留めないが、
彼の前半部分の言葉には食って掛かる



「何を言うんだスモーカーや 人間は寝ることが至福なんだぞ」
「仮眠ならちゃんと取ってますよ」
「ウチの奴らなんて大概寝てるのに」
「それは起こせ!!」



長くG-5の責任者を任されて来たが、アイツ等はいつもマジメに惰眠を貪っている
スモーカーが新しく此方に配属された時も見た筈だ
到着早々、寝ている奴らに対し雷のように怒鳴っていた姿も記憶に新しい



「本部でどうだったかは知らんけどな、ココではもちっと楽にして良いんだぜスモーカー」
「…そんな柔なことをする為に、おれァ此処へ来たんじゃねェんで」
「頑張り屋さんだなぁお前」
「……アンタ等は、その腑抜けた部分をもう少しどうにかしろ」
「もうすっかり此処の毒気に侵されちまってな、オレは」



本部に配属されていた時は、もう少し誠意を持って海賊達を捕まえてた筈なんだけど、と笑うナマエの横っ面を殴り飛ばしたくて仕方が無い。ヒクヒクと動く青筋を揉み隠すようにしたスモーカーは、もう退出しても良いか、と急に呼び出された所長部屋から出たくてたまらなかった



「お前が連れてきたあの女の子の方は、言えば素直に休養を取ったと言うのに」
「……あのトロ女……」
「やっぱり上司がお手本を見せてやるのが一番だと思うが」
「…もうイイですか、時間が勿体ねェんで」



上質なソファから腰を上げたスモーカーだったが、
ナマエから視線を逸らしてしまったせいでナマエの取った行動への対処が遅れた。腰に手を回される感覚。近付いていた顔に焦点が合わない



「な…っ、」

「よしスモーカー、寝ろ!」
「はあ!?」



スモーカーの重い身体を難なく持ち上げたナマエは、
所長部屋の隅に設えられていた仮眠用のベッドへと足を運んだ。
「何考えてんだアンタ!下ろせ!」と暴れ、果ては煙になって逃げようとしているスモーカーをナマエは覇気を纏った手で捕まえて逃がさない



「オレの部屋には誰も来ないようにしてあるから、ここで気兼ねなく寝ろ!」
「い…っ、!?」



柔らかいベッドに寝かされるのが久しぶりで、感触が何とも言えない
彼にしては珍しく丸く目を見開いて、自分を押し倒している上司の顔を見上げた



「上司自らが寝ていいと言ってるんだぞ?これで寝ない奴がどこにいるんだ」
「…だ、だから!おれは別に休息なんざ…!」

「お前が無理すると、オレが辛くなるんだよなぁ。 分かってくれ?」
「!」



ニコニコニヤニヤ

(そんな顔をして、何が分かってくれ、だ)






------------------------
▼包容力のある年上男主×スモーカー
リクエストありがとうございました!



prev / next