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▼ 死を招く恋

*4章前半の時系列




普段のおれなら絶対に立ち寄らないスポットナンバーワン、図書館
正直、用があっても来たくない静謐なこの場所に来たのは探し人探しの途中だったからで


奥の席に座って本を食い入るように読み漁っていた人に声をかける。ヒソヒソ声を出すのも大変だ



「いたいたナマエさん」
「何か用かなシャチ君」
「集中してたところスミマセン。キャプテン見ませんでした?」
「いや、今朝からは見ていないな」
「またベッドのお隣に潜り込んでたんですか?キャプテン」
「お察しの通りだよシャチ君」



町の図書館で調べ物をしていたナマエさんなら知っているかと思って此処まで足を運んでみたけど、居ないならしょうがない。
船に積んでいた荷物のことで話があっただけで別段急ぎの用と言うんじゃないし



「ナマエさんこそ朝から何を調べてたんすか?」
「この世界の地理だな。海の名前とか位置とか国の数とか、把握したいことが沢山あって」
「ほへー…それでこんだけの量の本をですか…すっげー」
「オレも最初は眠たくて堪らなかったが、読んでみると引き込まれたよ。シャチ君も一冊読むかい?」
「おれ本って苦手なんですけど…あ、お隣失礼しますね」
「どうぞ」



隣の椅子を引いて譲ってくれるナマエさんてやっぱこう言うところが紳士的なんだよなー。本読んでる姿だって、本人は眠たくなるとか言ってるけどサマになってるし。自分が40の時にナマエさんのようになれている自信がまるで湧かないのも凄い




「シャチ君は、どこの海の出身なんだい?」
「北の海ですよ。大体の奴らはそこ生まれです」
「へぇ!やはり寒かったりするのかい?」
「ですねー。雪だらけで真っ白で、面白みはないですよ」




久しぶりに故郷の海のことを思い出してみる。
飛び出しはしたが、いつか帰る場所だしな、と考えて、そう言えばナマエさんには……と暗い気持ちになって自分マジ忙しない




「…すんませんナマエさん」
「?どうして謝られたんだ?」
「いや、ナマエさんは故郷がおれの比じゃねぇぐらい遠いってのに…デリカシー無かったです」
「なんだ、そんなことか」



ポン


キャスケット帽の上に落ちて来た重みは、ナマエさんの手だった。
え、こ、これはまさか、よくキャプテンがその餌食になっていると言うナマエさん専用スキルの頭ナデナデそして、




「気にする事はないよシャチ君 優しいのだな君は。ありがとう」


















「助けてえペンギン!ペンギン!!ペンギーン!!ぴーあいえぬじーあいえぬペンギンー!!!」

「それじゃあピンギンだしウルサイしなんだよ宿帰って早々」
「助けてくれ!おれは船長にいつか殺される!!」
「はあ、そりゃドンマイ?」
「ナマエさんを見て高鳴ったこの胸はなに!?ドキドキするのはなぜ!?ヤバイぞあの優しい大人の笑顔!胸がキュンとした!やべぇキャプテンにころされる!やだおれまだ死にたくねぇー!」
「とりあえず落ち着いて遺書を書け。おれが見届けてやるから」
「やーだー!!!」



しぼうフラグ ! たった!





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▼恋情増幅@クルーとイチャイチャする主/ちぃさん
リクエストありがとうございました!



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