!この絵の設定を使用してます
!ショタ渇望系ロボット×主人公フラグを折りたがってるネガティブ少年
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こんにちは、新入者の諸君。
私は、この銀河系にあるロボット生命体が暮らす"鋼鉄の星"を守護している意識体である。
つまりとても偉くて物知りな存在であると言うことを理解していてくれていれば、私自身の話はここで終了する。
今日は1つ、皆に話聞かせたい伝承がある。
その昔、宇宙には『勇者』と呼ばれる 選ばれしロボット戦士たちがいた。
「力」、「技」、「知恵」、そして「勇気」
これらの要素を全て兼ね備えた者のみが名乗れるその称号に、多くのロボットたちは憧れ、そしてそれを目標とし日々の研鑽を重ねている。
『勇者』の称号の重みは、肩書きだけではない。宇宙全ての平和を守るべく、悪事を企てている敵と戦わなければならない。
そのためにはより強くなる必要がある。ロボット達が今以上の力を手に入れる方法としては主に各パーツの強化、改造等が上げられるが、
一部の者たちには……いや、『勇者』の特権として、
「地球産の少年による激励」
が加えられることを 知っているだろうか。
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地球の文明テクノロジーが僅かほど進歩した西暦2080年
未だ尚根強く残っている自然の山々に囲まれた小さな市街が舞台である。
≪だから!どうして!逃げるんだ!≫
さてここに、ある一機のロボットがいる。
彼の個体名は『汎用型イレベレル・OZ-1000』
地球風に呼びやすくする必要があるようなので「ベレル」と表そう。
メイン機体カラーは深海を思わせるような深い青をしており、運動性、スピード性に特化したスタイリッシュなボディを持った彼は、所謂『勇者見習いロボ』であった。
彼もまた、偉大なる先輩ロボットたちの勇者譚を聞きながら育った若者世代で、己が選ばれし存在になることを夢見て、
ロボット士官学校の実地訓練という名目の元、遥々何光年も離れた惑星の『地球』にやって来ていた。
実地訓練を行う生徒の目的や目標は個人によって様々だが、一貫していることは
1.その星のルールに可能な限り従うこと。
2.1を順守する上で己の命に危険がある場合はその限りではない
3."敵対勢力"と判断された存在がいる場合は、1と2の原則を可能な限り逸脱しない範囲で撃退すること
以上、大まかに分けてこの3点である。
では改めて『汎用型イレベレル・OZ-1000』の話に戻ろう。
「やばい、やばいよ、まだ追いかけてくるよあのロボ、怖い、やだ、やだ……」
ベレルは今、あのように とある人間の少年を追い掛け回していた。
見て分かるだろうが、少年は今とても怯え、戸惑い、そして逃げている。
≪なんでだ!? おま、あれだぞ!?オレ、ロボットなんだぞ!? そのくらいの歳のガキはみんなロボットが好きだってデータ文献で調べたんだけど、思ってた反応が返って来ない!≫
「いやああもうほんとワケわかんないあのロボットなに!?」
確かに、人間に迷惑をかけてはならないとは申し渡さなかったが、それは言わずとも守らねばならない最低限のことであって…
人間を怯えさせないようになるべく半歩半歩で歩き、人間の歩調と合わせるよう動く。と言ったこともベレルは守れていない。
ただ一直線に、少年を追いかけている。 誰か、あいつを止めろ
≪オレの手を取れよ!少年、お前"主人公"になれるんだぜ!? そしてオレも"主人公機体"になれる! なあ頼むよ!お前が一番最初にオレの感知センサーにビビビって来た存在なんだって!≫
「ありえない…なんでボクなの……ボクとか絶対主人公になれるタマじゃないし…髪型だってまん丸カットのよくある感じだし、名前もナマエとか平凡な名前で…それならボクなんかよりも隣のクラスの轟平 牙紋(ごうだいら がもん)君の方がよっぽど主人公ネームだし髪の色とかも赤と茶色だし重力に逆らって上にツンツンしてるし性格もボクみたいなネクラじゃなくてイケイケあげあげな感じなのにぃぃいいい……」
≪いやこっちこそワケ分かんねぇよ! なんだ主人公ネームって! 人間の毛髪は奇抜でないと主人公になっちゃダメとかそんなルールこの惑星にないだろ!? オレの運命の少年はお前……ナマエなんだよ! なあオレの手を取れって!一気にナマエを主人公にするから!≫
「だからそれが嫌なんだってばあああ表舞台とか無理むりむり大衆の眼を集めるみたいなことほんと無理だからあ、おなかいたい」
≪なに!?大丈夫かナマエ!よし、オレの手に乗れすぐに一番いい病院を検索して連れてってや…≫
「その手には乗らないよおおおお!」
………
『……あれはあれで良いコンビになれるのやも知れんな』
『初代王、正気ですか!?』
(タイトルは有名なロボアニソンのフレーズから)