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「#幼馴染」のBL小説を読む
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*思春期なカレシ×実は鬼でしたカノジョ






突然だが、俺の彼女は鬼だったんだ。

自分でも何言ってんのか分かんないけど、彼女とのファースト・チッスを仕掛けようとした俺が彼女の髪をかき上げたところで眉毛の上にある突起物に気付いた。

「へ?」
間抜けな声を出した俺を他所に、彼女は「あー、そういえば言っとらんかったね」とあっけらかんと答えて、知り合ってから半年、付き合い始めて二ヶ月、かつて見たことなかったぐらいの笑顔でサラリと衝撃告白をした。


「うち、鬼やねん」

「へ?」


綺麗な光沢のある切り揃えられた前髪を上げておでこを見せてくれた彼女には、やっぱり突起物があった。
でも、彼女が「鬼やねん」と言った瞬間に、肌を隆起させただけのようだったソレは、ズブズブと言う音を立てながら上に伸びて行く。まるで、成長して行ってるみたいな。そこでまず理解が追いつかないんだけど、呆然と見てた俺の目に無視できないぐらいの大きさを持った銀色の角を撫でて、彼女はもう一回笑って「な?」と言う。え、なんですかそれ。口から、牙っぽいのまで生えてません? さっきまでただの犬歯だったよな?え?



「うちの家系な、何百年も前から鬼の一族やっててんよぉ」

「ちょっと待ってそこから待って」

「生まれてくる鬼みんなぁがめっちゃ強い妖力持っとってな、そのせいで色んな人間に迫害されてる内に一族が散り散りになってしもてん」

「あのさ、」

「ほんでな、ごくたまぁーに鬼の血を半分だけ継いだ子どもが生まれるようになってしもてんけど、それが今代ではうちやねんよなぁ」

「えっ」

「でも見て! うちのこの角、めっちゃ綺麗ない!?」

「あ、それは同意できる」

「やろぉー!眼の付け所がええなぁ、さっすがうちが見込んだ男やわぁ!」



手を叩いて跳ね飛びながら喜ぶ彼女の姿は角と牙のことを差し引けばいつもの彼女の姿だ。そりゃ、そうなんだけどさ。騙されてるのかな、って一応周りに眼をやってみたけどカメラっぽいのも仕掛け人みたいなのも見えない。じゃあ本当のことなのか、と思ってみると、本当、だと思う。だって彼女は見ての通り、真っ直ぐな女の子なのだ。出会ってから一度も嘘を吐かれたことはない。それに何より


「……角と、牙があるもんなぁ…」

「あ、気になるんやったら爪とか眼ぇの形も変えれんで?」

「ま、マジで!?」

「見せようか? …ほんでも、それ見てうちの事嫌いになったりせぇへん?今さらやけど」


窺うような目で見てくる彼女にしっかりと頷き返す。嫌う、それは絶対にありえない。
だって俺が君のことを好きになったのは見た目じゃないんだ。や、多少は黒髪ロングに惹かれたり、大きく口を開けて笑うところに惹かれたりはしたけど、内面的な部分でゾッコンです。


「…!もう、ほんまにええ男やねきみ! ほんなら残りの姿はまた後日見せることにするけん、さっきの続きしようや!」

「さっきの、続き?」

「? さっきうちにキスしようとしたんとちゃうの? えろう顔近づけさせよったやん!」

「んなぁ…!!あ、あれは…!」

「なぁ、やろうやー!牙は消しとくから怪我はさせへんよ!あ、でも角は一遍出すと次の日の朝まで消えへんから堪忍してや!」

「え!?まじで、それ大丈夫なわけ?」

「平気やって! 刺さるかもしれへんけど!」

「俺のオデコに刺さる可能性が!?」



その後 本当に俺のおでこに彼女の角が刺さったことをお知らせしておきますが、俺は幸せです 唇めっちゃ柔らかかった



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