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深夜零時に帰路に着くことに対して思うところは既になくなっていた。心身共に疲れきった状態の女の顔なんてみすぼらしいに決まっている。うっさいわ黙れ。好きでやつれてるんじゃないんだぞこちとら。今日は……と言うより昨日は朝の10時出勤で23時半に上がれたから今日は比較的易しめなシフトだった。新人の急な辞表提出にもめげずに一人欠けたチームでラインの点検をして発注作業もこなして残業はなかった。完璧じゃないのわたし。やればできるこすごいこだよ久希ちゃんそうでしょ久希ちゃんあははうふふ


眠い バカ言ってる場合じゃないんだわたしは早く帰って寝て今日も10時出勤なんだから用意済まして睡眠を……


「ただい『お帰りひさきーーー!!!やぁん待ってたよぅ!』おねがい静かにして頭にひびくから」
『ごめーーん!!』


させてくれないのがこいつだ。

夢魔だかなんだか知らないけど、こんな結婚行き遅れ社蓄に纏わり付いてなにが楽しいんだろう。


『あたしは久希が好きなだけだもん!寝ている間に性交渉とかしちゃう姑息なサクバスたちと一緒にしないでほしいもん!ぷんぷん!』

「はいはいぷんぷん わたしもう寝るからね」

『そうだと思って布団もう敷いておいたよ!昼に天日干ししたからフカフカだよ!』

「ありがとリリス 嫁にしたいねー」

『!いつでもオッケェなんだからね!そんなこともあろうかといつも胸の谷間に婚姻届用意してるから!』


無駄に露出の多い格好と無駄にでかい胸部の隙間からヨレヨレの婚姻届を出してくる。どうでもいいのだけどあんなにヨレヨレでは上手く書けないだろうし、あんた夢魔なんだから役所が受理してくれると思ってるのかしら?


「おやすみリリス」

『うんおやすみ久希ー! ………………ぐへへへへ寝た、寝たよね久希 お゛い゛しそおおおおああ早く食べたいなペロペロしちゃって良いかなもう久希かわいい久希可愛いよぉおおおはあはあくんかくんかぺろぺろ!』



ほんとこの子うるさい





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