『彼女にナイショで“ランスロットの眠り姫”を読んでみた』


ルルーシュは携帯をジッと凝視し、怖い顔で唇を固く結んでいる。
通りかかった空は足を止め、心配そうに表情を曇らせた。

「……ルルーシュ、何かあった?
なんでそんなすっごい怖い顔で携帯睨んでるの?」

ルルーシュは携帯をパチンと閉め、顔を上げて爽やかに笑う。

「いいや何もない」
「えぇ!? 絶対何かある顔だったよ!
……あ、もしかして黒の騎士団関係?
邪魔してごめん。あたしあっち行ってるね」

後ずさって逃げようとする空の肩をルルーシュはガシィッと掴んだ。
女子が黄色い声を上げて卒倒するような完璧な笑みを浮かべる。

「逃げるな。
少し話をしよう。俺の隣に座ってくれ」
「こ、こわっ! 目が怖いんだけどルルーシュぅ!!
座る! 全力で隣座るから!!」

掴んだ肩をルルーシュはそっと離し、空はホッとした顔で隣に座る。

「……話ってなに?」
「ひとつ教えてほしい」

真剣な表情でルルーシュは言う。
なんの話だろう?と彼女は緊張した顔で頷いた。

「おまえが好きなのは俺だよな?」

その言葉に、緊張した顔が戸惑いで崩れた。

「……え?」
「答えろ。
おまえが好きなのは俺か?」

力強い言葉と眼差しに、空は戸惑いながらも自分の気持ちを口にする。

「うん」

答えた途端、ルルーシュは晴れやかに笑った。心から嬉しそうな笑顔だ。
「よし」とルルーシュは言うが、何が何だか分からない。
……けど、まぁいいか、とルルーシュの笑顔を見ながら空は思った。

彼女は知らない。
別の世界の自分が、ルルーシュを怖がって近寄ろうとしないことを。

                  終わり
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