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「なら僕は、皇位継承権なんていりません!!」

今日の夢は、幼いルルーシュの怒声から始まった。
金で縁取られた、億単位はいきそうな深紅のカーペット。
一番奥にいるのはブリタニア皇帝で、豪奢な造りの王座に悠々と腰掛けている。
夢だと忘れてしまいそうなほど、その光景はリアルだった。
でも、夢は夢だ。この場にいる貴族も兵士も誰もあたしを見ない。

「貴方の跡を継ぐのも、争いに巻き込まれるのも、もうたくさんです!!」

もちろん、あたしの視界の先にいるブリタニア皇帝も同じ。

「死んでおる」

二人のやり取りには見覚えがある。
7話冒頭のルルーシュの夢─────いや、正確に言うならルルーシュの過去。

「お前は、生まれた時から死んでおるのだ。
身にまとったその服は誰が与えた?
家も食事も命すらも、全てワシが与えたもの」


射抜くような眼光。空気が軋むような威圧感。
そのどちらも、親が子に向けるようなものじゃない。

「つまり、お前は生きたことが一度もないのだ。
しかるに、何たる愚かしさ!!」


立ち上がったブリタニア皇帝の気迫は更に増し、気圧されたルルーシュは腰を抜かして尻餅をついた。
見ていられなくてルルーシュの前に出ようとしたけど、あたしの身体は金縛りにあったように動けなかった。


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