贈りもの | ナノ


▽ 詩歌様から


青い空、白い雲、いつでもここから見える景色は素敵で、とても優しい兄たちがいるこの船に誘われた。私が父さんの船に乗り込む理由には十分だった。


父さんの船に乗り込んでもう一年になるのか・・・

そんな私の最近の悩みはというと

ガシャーンッ

ああ。また始まったか・・・

ボチャッ

ん?ぼちゃ?・・・まさか父さん・・・!!

「名前、ちょっくらあいつ助けてきてくんねーか」

「へいへい」

マルコがあきれたような顔をして私にそう言ってくるから私は力を開放する

見聞色の覇気で件の少年の位置を把握してその場所に向かって風を起こすそして少年を甲板へと拾い上げる

苦しそうにせき込み水を吐き出す少年を見て私は一言

「あんねー少年や、そんな毎日毎日飛びかかっても勝てるわけないでしょーが、いい加減学習しなさいな」

そういってやる

「けっうるせーよ」

「あらら、命の恩人に対してそりゃーないんじゃないの?少年」

「誰も助けてくれなんて「頼んだ覚えはないって言いたいのね?」

少年の言葉を遮り言いたいであろうことをかぶせてやる

「そうだクソババア」

「ふーん」

かわいくない子

そう思った私は腕を振り上げ風の玉を作りその中に少年を入れるそして海の上まで運んであげる

「さて、君に問題です」

「あ゛?」

「このまま私がここで力を解いたら君はどうなるでしょう?」

「あ?そりゃおめー海に・・・落ちるにきま・・・ってまさか」

「ご名答君はだって助けてほしくはなかったみだいだから優しい優しいクソババア様はもう一度海に落としてやろうかと思って」

ああ、きっと今私すごくいい顔してるんだろうなー自分でわかる。そんな私とは裏腹に少年のほうは顔が険しくなっていく

「名前、からかうのもそこまでにしてやれ」

「そうだそうだ」

あれま、なんだかんだいってみんな父さんが気に入った少年を可愛がりたいようで

まったく男の子って・・・そう思いながらも少年を船の上に戻してあげる。少年は不満そうな顔をしていた・・・本当は落ちたかったんだろうか・・・?

「少年、君にいいことを一つ教えてあげる。今の君は何をしても父さんには勝てない、だから君のとるべき手段は二つ、この船降りてまた挑戦しに来るかそれと「それともここで俺たちと一緒に白ひげのマークを背負うかだ」

あれま今度は私が言葉を遮られた、さっき少年の言葉を遮った天罰かしら

「おまえらなんでアイツのこと親父って呼んでんだ?」

「なんでって父さんが娘って言ってくれるからに決まってるじゃんねーマルコ、サッチ」

「おーい名前」

そこから何があったかは自隊の連中に呼ばれてしまったために知らないけど、翌日にはあの少年はみんなの中心でそりゃもうかわいらしい笑顔を振りまいていた

「どんだけよ・・・」

その変わり身の速さに少しあきれたが私の視線に気が付いたのかその少年はこちらを向くと走り寄ってきた

「なあなあ」

「ん?」

「昨日は大変ありがとうございました」

ほぼ腰を直角におり頭を下げてくる

「・・・」

私が何も言わないのを不思議に思ったのかこちらに視線を向けてくる少年は昨日までの威勢のよさはどこへやら不安そうな表情をしている

「べつにいいよ少年、でもね大変って言葉はありがとうにはつけないと思うよ」

「そっかわかった」

「それよりも私はクソババアのが気になるんだけどなー」

「すまん」

「よし許してやろう」

「サンキュー」

「ところで少年や」

「ん?」

「君はいくつだ?」

「18・・・名前・・さんは?」

「あれま驚いたほぼ同い年じゃん。私は19、ほとんど変わらないじゃん。別に名前呼び捨てでいいよ」

「わかったんじゃ名前!」

「なによ」

「さっきから言ってる少年ってやめてくれねーか?」

「あーうん、わかったよ青年」

「どっちもかわんねーだろ」

「そう?指し示す年齢層が違うと思うけど」

「そうじゃなくて!名前!」

「ああ!君の名前・・・なんだっけ」

「はぁーっ!!こんだけ一緒にいたのに覚えてねーのかよ」

「だってどうなるかわからない馬の骨の名前なんて覚える気なかったし」

「馬の骨って・・・」

「まあ、正式に仲間になったということで覚えてあげましょう。君の名前は?」

「エースだ」

「エースね・・・はい覚えましたよー。」

「名前・・・お前も悪魔の実の能力者なんだろ?」

「そだけどなに?」

「何の実だ?」

「私はカゼカゼの実の能力者よー。君と同じ自然系」

「へー昨日のあれはそうゆうことなのか」

「球体のこと?そうだよ」

「おう!名前の風って普通の風と違ってあったかいんだよな」

「そうなの?自分じゃよくわかんない」

「助けてもらったときめっちゃあったかかったからよ」

「へー」

「気持ちよかった」

まっすぐ目を見て笑顔でそう口にしてくるエース

「なんかかわいい」

私はそう口にしていた

「はっ!?可愛いってなんだよ」

「ん?そう思ったから」

なんて会話しているとマルコやサッチやほかの隊長たちまでこちらにくる

「名前となに話してんだよ」

「名前の風はあったけーってこと」

「ああ、それ俺もわかるわ」

「俺も」

俺も俺もなんてみんなが続くからなんか恥ずかしくなってきた

「なんかよーおふくろってこんな感じなのかなって」

誰かのいった一言にエースが

「じゃあ名前はこの船に乗っているみんなのおふくろだな」

と反応した

「・・・はあ!?」

「そりゃちげーねー」

「いやだよ私、大体マルコやサッチなんて私より年上じゃない!」

と言葉を返すがみんなが私をおふくろーと呼び始まってしまった

「もう・・・」

ため息をついた、こうゆう時の男の子って何を言っても無駄だから・・・もういいや

あきらめてその場を後にする

月がきれいだなー

こうゆう日はこれに限る

体を風に変えようとするとエースが集団から離れてくる

なんだろう

「なあ名前」

「ん?」

「空飛べるのか?」

「んー飛ぶっていうかは一体化するに近いかもね」

「すげー!でも飛んでんだろ!」

いいなーいいなーなんて言ってくるエースがかわいくてついいたずらしたくなった

体を風に変えつつ周囲の風を操りエースを持ち上げるそしてそのまま海上を一緒に飛ぶ

「どう?」

「きもちーな」

「でしょ?」

「これ・・・」

「ん?」

「これほかのやつにもしたことあんのか」

「マルコ以外は大体経験済みかな」

「ずりー」

「いやいや何がずるいのよ」

「もっと早く知りたかったな」

そうエースがつぶやいた。

なんかほんとエースって

「かわいいなぁ」

「だから」

「あらやだ失礼」

「お前なぁ」

そのまま二人でしばらく夜の空を時にゆっくり時に早く速度を変えて飛び回る

ひとしきり遊んだから帰ろうとエースに声をかけると

「エースそろそろ帰るよ」

「ぐーー」

寝ている・・・まだ少しだけあどけなさの残る寝顔・・・かわいい

にしても

「落とされたらとか少しは心配したほうがよくないかいエース・・・」

起こさないようにそっと船まで運ぶ

船に戻るとだいぶ時間がたっていたようですでに甲板で酔いつぶれた船員たちが多く寝そべっていた

そんな中月夜に照らされる巨体を見つけた

「父さん」

「名前か・・・気に入ったか?そいつ」

「可愛いなーとは思うよ」

「グララそうかい」

「なんでそんなこと聞くの?」

「なんでもねーよ酒もってこい酒」

「えーまだ飲むのーもう・・・まあいいけどさ・・・変な父さん」

名前お前自分がどんな表情してるのか気が付いてねーのか?そんな風に父さんが思っていたなんて私は知らなかった

そしてそんなエースと私が恋人になる日はそう遠くもなかった

でもその話はまた次回・・・

月明かりに照らされた優しい風の中君を思う

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