光のレール建設計画 | ナノ

星に恋をした日

 かきくトリオ。私の幼馴染を含んだ3人は、誰が付けたのかはわからないが、そう呼ばれていた。クラスが同じ、部活が同じ、学区も同じで席も近い。何かと3人でいることが多かったからトリオとされるのも頷ける。

 飛雄はかなりの不器用で口下手だ。昔から彼のために私はフォローに走っていた。中学生になってクラスが分かれてしまったときは、どうなることかと思ったが、そんな私の心配は杞憂に終わった。仲睦まじく行動する癖に仲良いね、と言われると別にそんなんじゃない!と声を揃えてくる。傍から見れば微笑ましいだけだった。

 私のことも1人の友人として受け入れてくれた。幼馴染というだけで小学校でからかわれることの多かった私には、とてもありがたかった。私の弟の颯(ソウ)にも良くしてくれて、颯も兄ちゃんが増えたみたい!と大喜びしていたなあ。

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[成功したみたいだぞ]
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 LINEには一言そう書かれていた。知ってますよ、と声には出さず口だけ動かした。彼らは昨日、飛雄の家の前でやっていたのだから。影山家の隣に位置する我が家から、その行動は丸見えだった。

 私はただ、前のように笑ってほしいだけ。恋愛など微塵も分からない私だけど、見ていて嬉しくなること、幸せを願いたくなることが恋ならば、間違いなく私は彼らに恋をしていたであろう。恐らく、恋愛ではなく親愛や友愛に近いのだろうけど。

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{これで第1段階はクリアです}

{3日程様子を見ますので、決して悟られないようにお願いします}

[わかった]
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 お礼の意味を込めたスタンプを送ると、可愛らしいアザラシのスタンプが返ってきた。意外と可愛いスタンプを使うのだなと、気がつけば笑みがこぼれていた。

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