光のレール建設計画 | ナノ

星に名前をつけた日

 岩泉を通して俺に伝えられた指示は、影山に塩キャラメルを渡せ、だった。岩泉の言う協力者が誰なのかは知らないが、こんなことで進展はあるのだろうか、と半信半疑で実行した。

 翌日、部活に来てみると影山にお礼を言われた。話を聞くと、塩キャラメルのおかげで少しだけ普通に話せた、とのこと。こんなにも簡単にいくものなのだろうか、と呆けてしまったが、影山が嬉しそうなので良しとしよう。

 ホームルームの始まる前の数分間に岩泉のトークを開く。

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{上手くいったみたい!}

[マジか]

{でもなんで塩キャラメルだったんだ?}

[国見の好きな食べ物だ]

{へーそうなのか}

{岩泉のいう協力者はこうなることをわかってたのか?}

[むしろ計算の範囲内だと]

{怖っΣ(゚Д゚ノ)ノ}

{つーか結局誰なんだ?協力者って}

[言ってなかったか?]

{聞いてないよ!俺の知ってるヤツ?}

[いや知らないと思う]

[影山の幼馴染なんだが……知ってたか?]

{えっ}

{影山幼馴染いたの!?}

[おう]

[あ、でも今は影山に聞くなよ]

[影山は馬鹿だから気づかないだろうけど、国見にこぼされでもしたらバレかねないから、だと]

{徹底してんなー}

[ほんとにな]

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「なにしてんだ、スガ?」

「ああ、大地。」


 LINEに夢中になっていると大地がいつの間にかこちらを見ていた。席が前後だから俺の様子にすぐに気がついたのか。丁度良い。大地も巻き込んでしまおう。


「今、青城の岩泉とLINEしてんの。」

「岩泉って青城のエースの?」

「そうそう。」


 大雑把な経緯を伝えると、大地は納得したように頷いた。大地も大地なりに影山と元チームメイトのギクシャクした関係をどうにかしたいと思っていたらしい。


「名付けて、〈かきくトリオ仲直り大作戦!〉だべ!」

「そのネーミングセンスはどうかと思うぞ……。」

「えー。まあとりあえず、大地も協力してよ。」

「おう。任せなさい。」


 新たに仲間を引き込んで、作戦続行だ。

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