バイリンガール! | ナノ


 飛翔の時

中学が一緒で、高校でも同じクラス。異性の中で1番仲が良いのは間違いなく彼だろう。
そんな彼に初めて「マネージャーやらない?」と聞かれたのは1週間前のこと。

居候の身である私が2つ返事で返せる訳もなく、断り続けて1週間。
遂に折れた私は男子バレー部の使用する第2体育館を訪れた。

帰りにちょっと覗くだけ、と制服のまま扉に手をかける。
中学に比べれば大分流暢になったが、まだぎこちない日本語で失礼します、と控え目に声をかけた。

目の前のコートで飛んでいたのは、私よりもいくらか小さい彼。
空中にあるボールの真下にいるのは噂のカゲヤマだろうか。
カゲヤマの手がボールに触れた刹那、もうボールは反対側に落ちていた。

ひゅ、と思わず息を飲む。
バレーのことなどさっぱり分からないが、凄いということだけ理解できた。
着地した彼と目が合う。私は口角が上がるのを感じながら、口を開いた。

「来たよ、ショーヨー。見学してもイーデスカ?」




 




この瞬間から私は彼らに魅せられた。



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