夜を照らす者 | ナノ
態度一変

ガラッ、と音がしてドアが開いた。

「コラ!遅刻だぞ!!
今ごろ登校してくるとはどういうつもりだ!!」

机を叩いて根津は獄寺を叱ったが、獄寺の睨みによって怯んだ。

周囲からもコソコソと声が聞こえてくる。

獄寺は根津を一瞥すると、ズンズン歩いてツナの方に向かった。


また何かするのではないかとミラが心配してツナに声をかけようとすると、
「おはよーごさいます10代目!!」
という清々しい挨拶が響いた。


途端にクラスがざわつく。

ミラはこの前のことと関係があるのかと考えこんだ。

根津はそんな獄寺が気に食わなかったのか、ツナを落ちこぼれのクズと呼び、類は友を呼ぶとまで言った。

「おっさん、よく覚えとけ」

獄寺も根津に鋭い視線を向け言いはなった。

「10代目沢田さんへの侮辱はゆるさねえ!!!」


根津の襟元を掴み揺さぶる。根津も相当びびっているらしい。


「10、代目……」

それが何を意味するのか、追及するものはここにはおらず、ミラの心の中に深く残った。







そのあと退学騒ぎになりかけたが、結果的には根津が学歴詐称で退職となった。


「ツナ、お疲れ」

水飲む?とミラはペットボトルを差し出す。

「あ、ありがと」

「獄寺と仲良くなったの?」

「いや仲良くなったっていうか……」

口ごもるツナに首を傾げる。


「ツナの友達なら、きっと大丈夫」

ミラがそう言うと、ツナは複雑な気持ちを抱えながら笑った。



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