夜を照らす者 | ナノ
テスト返し

今日は理科のテストが帰ってくる日だった。

ミラは次々にテストを受け取る生徒たちをぼんやりと眺めていた。

「夜野」

帰ってきたテストは92点。間違えたところを確認しようと赤ペンを出したときだった。

「沢田」


ツナがテストを受け取ろうとすると、根津は舌打ちをしてテストを取り上げた。

「あくまで仮定の話だが……

クラスで唯一20点台をとって平均点をいちじるしく下げた生徒がいるとしよう

エリートコースを歩んできた私が推測するに、そういう奴は学歴社会において足をひっぱるお荷物にしかならない

そんなクズに生きている意味、あるのかねぇ?」

そう言って表にしたテストは26点。ツナの絶叫が響き渡った。


「見えた!」「わ、26点!」
「やっぱダメツナか……」


根津の言葉を期にツナを冷やかす野次が飛ぶ。

そんな中ミラは顔をしかめていた。

同じ人間なのに、自分より劣っているだけで見下す。

ミラにはそんなクラスメートたちが、不快に思えて仕方がなかった。


ミラが女子ではなく、ツナを一番の友達と呼ぶ理由はそこにある。




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