小さな影
あれからというもの、ツナの周りは賑やかになった。
獄寺や山本がいるため、ミラがツナと話す時間は減ってしまい、少し寂しく感じられたが、ツナに大切な友達ができたのでまあいいかとミラは微笑んだ。
おにぎり騒動やボクシング部の勧誘。ツナの周りは随分とデンジャラスになっていた。
それらを温かく見守っていたミラも流石に無視することができない事が起こった。
並盛中の風紀委員長、雲雀恭弥。彼のテリトリーである応接室に入るところを見て、ミラは血の気が引いた。
どうなるかとハラハラしてきたとき、爆発が起きる。煙に紛れて一瞬見えた影は人の形をしていたが、あの大きさではまるで赤ん坊だ。
「普通じゃない……何か、ある」
今まで半信半疑だった違和感が、確信へと変わる。
ミラは薄い紫の目を細めると、踵を返した。沢田綱吉という人物をもう一度観察し直す必要があるかもしれない。
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