シキさんと合宿
東峰と西谷がバレー部に戻り、音駒との練習試合に向け、合宿を行うことになった。

学校での練習、空がうっすら茜色になり始めた頃、色摩と清水は武田と共に合宿場に向かっていた。

自炊をしなければならないからだ。 色摩は合宿場から家が遠いため、清水とは違い泊まることとなっている 。

夕食は清水と武田が作り、その間色摩は風呂に入る。 片付けは色摩がやり、清水は帰宅するというルールだった。

「あれ、シキさんは?」

「紗瑛ちゃんなら、今お風呂よ。

覗いたりしたら許さないから。西谷、田中。」

「「(ビクッ!!)」」

合宿場についた部員と清水がこんな会話を繰り広げていたことを色摩は知らない。


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清水が帰って暇になってしまうと、色摩は男子部屋に行く。

襖を開けた瞬間悲鳴を上げられ、目をパチパチさせる。

話を聞くと怪談をしていたらしい。

「じゃあ、私もひとつ。

_私の中学校の七不思議の1つに“体育館に出る幽霊”というものがありました。

部活が終わった後、体育館からボールの音がきこえてくるんです。

中を見てみると電気が着いていて、まるでさっきまで誰かいたかのよう「「「ぎゃああああああああ!!!!」」」

東峰、日向、山口の三人が悲鳴をあげ、澤村に怒られていた。

「まあ、幽霊の正体は後輩だったんですけどね。」

「え、そうなの?」

色摩の隣にいた縁下が思わず聞き返した。

「うん。すごく影の薄いやつだから、気づかれなかっただけみたい。」

すごいよね、と笑う色摩にどんな後輩だ……、と全員が心の中でつっこんだ。

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