シキさんと黒猫
「随分長いこと練習してるんですね。」
第三体育館のドアを開けて声をかける。
残っているのはここだけだ。
「早く行かないと、食堂閉まりますよ?」
「まじか!」
「片付けるぞー。」
部屋に戻ろうとしたとき黒尾さんに呼び止められた。
「さっきはそのー、悪かった。」
「気にしなくていいです。私は、私以上の才能をもつ者を知っている。だから、私は私が特別だと言われるのが許せない。
変なプライドです。謝る必要はありません。」
「……そうか。」
黒尾さんは申し訳なさそうな顔からいつものニヤリとした笑みを浮かべた。
「ところで、
他の人行っちゃいましたけど夕飯大丈夫ですか?」
「やべ!!!」
さすが運動部、瞬発力が凄まじかった。
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