シキさんと才能
先輩達の嫌がらせも無くなり、私は自分の戦い方を見つけた。
自分より大きい人、力が強い人に通用する戦い方。

全中が終わって1ヶ月、私は初めてバスケで修造に勝った。



そして、2年生になり、私は本物の『天才』に会う。
悔しいとは思わなかった、むしろ歓喜した。

必ずこいつらは私を、修造だって抜くだろう。その才能を、努力を間近で見られることが純粋に嬉しかった。

天才という言葉はその選手の、努力を潰す。
だから私は、天才という言葉が嫌いなのだ。


中学の頃のあいつらや、影山もこの言葉に縛られた。
だからこそ、自由になった時、どんな才能を発揮するのか私は楽しみで堪らないのだ。


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目を覚ますと肩に私のではないジャージが掛けられていた。

「紗瑛ちゃん起きた?」

「清水さん……!?私、寝て……っ!!」

「いいの。顔色悪かったから休んでて。
皆も、興味があっただけだから気にしなくていいよ。」

「すみません。
まだ自主練習している人達、呼んできますね。」

ジャージを畳んで清水さんに返し、体育館に向かう。

足取りは軽かった。


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