シキさんと勉強
「「シキー!!!」」
部活が終わり、帰ろうとしていたその時、馬鹿でかい声でゲリラコンビがが私を呼んだ。
まあ、予想はしてたけど。
「「勉強、教えてくれ!!」」
頭をがばっと下げる。流石運動部。
後ろから縁下があきれた顔でやってくる。
恐らく私もそんな顔をしているのだろう。
「いいけど、やるからにはしっかりしごくから。」
その時の色摩は、新しい玩具を見つけた肉食動物のようだったと後に縁下は語る。
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「そこ、違う。」
「何でそこを間違えるの。」
田中と西谷にとっては地獄であろう。
現在二人は、色摩と縁下に勉強を教えてもらっている。
だが、『教える』なんて優しいものではなく、色摩の宣言通りしごかれている。
2年の首領と呼ばれる縁下と、密かに女帝と呼ばれている色摩は澤村に匹敵するだろう。
「ねえ、」 「ちょっと、」
「「聞いてるの?」」
「「キイテマス……。」」
田中と西谷の地獄はテストの日まで続いた。
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