シキさんと新マネージャー、そして__
もうすぐ、夏休みに入る。
私にもマネージャーの後輩ができた。谷地仁花、という一年生だ。
大きい部員に怯えまくりで、また新しいタイプだ。
小動物のようで守ってあげたくなる。
ドリンクやタオルを用意している彼女を見ると、転ぶのではないかとヒヤヒヤする。
そう思っていると武田先生が来て、集合がかけられた。
「合宿!?東京で!!」
「音駒から!?」
夏休みに音駒たち梟谷グループと合同合宿を行うらしい。
「東京、久しぶりだな。」
「シキさんって東京行ったことあるんですか!?」
無意識に出た一人言を日向が聞いていたみたいで、少し食いぎみに聞いてきた。
「私は、中学まで東京に住んでいたんだよ。」
「そうなんですか!?すっげえ!!」
「そういやお前、シティガールだったな。」
「その呼び方やめろ。」
私を変なふうに呼ぶ田中に、少しだけ睨みをきかせる。
はしゃいでいた日向も、田中も、武田先生の次の言葉によって固まることになる。
「テストで赤点を取れば、合宿に行くことは出来ません。」
ああ、面倒くさくなりそうだ。
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