ヴェルデの頭のてっぺんで、まるでウサギの耳が生えているように見える髪飾りがゆらゆらと揺れている。
これは私たちが幼い頃、私がヴェルデのために作り、プレゼントした物だ。
あれから数十年経っても、彼はその髪飾りをいつも付けている。
「大事にしてくれてるんですね」
「何が?」
振り向いたヴェルデと一緒に揺れる髪飾り。本当に、ウサギの耳が生えているみたい。
「髪飾りのことですよ。貴方はいつも欠かさずそれを付けてますから」
「ああ、これな…」
ヴェルデは少し照れた様子で顔を逸らした。私は彼の視界に入ろうとしたら、また顔を背ける。
「何?どうしたんですか?」
「……だ…」
ぼそぼそと何かを呟くが、全く聞き取れない。
こんなヴェルデを見るの、久しぶり。
いつもそっけない態度ばかりとるから、私は少し嬉しくなった。
「ヴェルデ?」
「っ…!だからっ………これはお前からの初めてのプレゼントだからっ………」
だからいつも付けてるんだ、とほとんど聞こえないくらい小さな声で言った。
その顔は真っ赤だった。
私は嬉しくなって、ヴェルデに抱き着いた。
「わっ」
「ありがとう。ヴェルデ」
ヴェルデが私からのプレゼントを大事にしてくれてるみたいに、私もヴェルデを大事にしたい。
幼い頃からいつも傍にいる相棒ですからね。