六番手:ウォルフ




おかしい。どうにも胸が痛い。もうすでに家にはついたんだけど、さっきキャロ…いや、キャトが僕たちに微笑んでからずっとだ。顔も火照る。

「ウォルフ?大丈夫かよ?」

弟のウェルフに心配をかけるなんて、だめだ。

「大丈夫。」
「そんなこと言ってもウォルフくん顔赤いぜ?熱でもあんじゃねーか?」
「っ!」

ケイトくんに指摘されて、さらに顔に熱が溜まるのが分かる。ちなみに、なぜケイトくんがここにいるかというとキャロを連れて帰らないと蹴られるかららしい。
今キャトはキャロに戻るという名目で睡眠に入った。僕ら双子が借りているアパートの一室のロビーにあるソファーですやすやと寝息をたてている。

「ウォルフも横になれば?キャロが起きたら俺が起こすからさ。」

ウェルフの提案に僕は頷くと、いつものようにウェルフの膝を枕にして寝ようとした。

「あ、膝枕なんだ。」
「そーだよ、俺らどっちかが寝るときはいつもこうにんだ!」

ケイトくんの反応にウェルフが笑って返す。

「へぇー。」
「あ、ウォルフ。アイマスクしなよ。寝顔、ケイトくんに見えちゃうから。」

アイマスクをされて、真っ暗になった視界の中で俺はゆっくり目を閉じた。


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