キャロに引っ張られ、ウォルフとともにいつもの別れ道まで一気にやってきた。
いつもはここでキャロと別れ、俺たちはアパートに向かうんだけど、今日は様子が少し違う。なにがってキャロのだ。
「…ねぇ、キャロ。」
ウォルフがキャロに声をかけると、キャロは振り返って俺たちを見つめる。
「話すのは初めてだったな…。俺はキャト、キャロの裏人格だ。」
それからキャトと名乗った彼は普段のキャロなら絶対に見せないであろう笑顔を俺たちに向けた。
「お前らはキャロにとって大切な親友だ!だから好きだぜ!」
「っ!!」
デレ頂きました!!…じゃなくて、思わずウォルフが照れてるじゃん!なんだよ、それはだめだって!
「なぁなぁ、キャロに戻るには一眠りしなきゃなんねんだけど、家帰ったらあいつらに何されるかわかんねぇんだ。だから悪いけど、お前らんちでちょっと寝かせてくんね?」
上目づかいで頼まれたら俺もウォルフも断れるわけないって!っていうか、さっきから気になるんだけど…。ウォルフさ、顔赤いよ。なんだよ、なんでそんな顔すんの。
「おーい、キャロー!」
キャロの後ろのほうから聞こえたのは、ケイトの声だった。
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