八番手:ケントA



今日は失敗しちゃったなぁ…。バカと鋏は使いようっていうけど、コテツくんは扱いづらいね。
まさか、俺を差し置いて昼休みにラウとキャロが会話しちゃうなんて…まったくムカつくなぁ。
さて、もうすでに六限が終わってホームルームも終わるところな訳だけど…。どうやってキャロと帰ろうか。実は一緒に帰ろうって誘ってもあんまり良い顔されないんだよねー。まぁ、ツンツンしててもかわいいから全然いいけど!
ってことで、まずはD組のウェルフに声をかけるかなっ!あの双子はキャロといつも一緒だし…くそ羨ましいな。でも、双子はキャロに恋心抱いてる様子じゃないから許そう。

「あ、ねぇねぇ、ウェルフっ!」
「ケント…、どうしたんだ?」
「一緒帰っていいかな?」

ウェルフは少し迷った表情をしたが、頷いてくれた。
ま、ウェルフは人気者だからいろんな奴に一緒に帰ろうって言われて大変だからね。俺は知り合いだし、なによりキャロにも迷惑にならないからだろう。

「ありがと。」

校門でキャロと双子の兄のほうであるウォルフと合流する。

「キャロー!」
「うわっ。って…やめっ!」

がばっと抱きつきながら、耳を弄る。やっぱり弱いんだよね。

「ひっ、やだ、ケントやめっ!」
「やーだ。キャロかわいい♪」

まわりで双子がオロオロしてるけど気にしない。だってたまには彼にも会いたいし。

「や、やぁっ、」

それにしても、いい声だすよね、校門の前ってわかってるのかな?

「ふっ…にゃぁあああっ!!」

ガリッ。

「っ。」

キャロが俺の手を引っ掻く。ついに来たみたいだ。

「ざけんじゃねぇぞ!ケント!何度キャロに手を出すなって言ったか覚えてるか!?ああ?」
「まぁまぁ、落ち着いてよね、"キャト"」

キャロは二重人格でね。今、俺の目の前にいるのは裏人格のほう…キャトだ。

「今日は君にあいたくてさぁ。」
「死ね!」




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