六番手:ラウ
C組の僕の召使いたちは実に有能だ。
例えば…あの虎を教室に近づけないなど、僕は非常に助かっている。
ただ、廊下で騒ぎがあるとなると…みな野次馬に回ってしまう。
その結果がこれだ。
「ラウちゃん!」
「…。」
あからさまにいやな顔をする僕に嬉々として笑顔を輝かせる虎。
「なぁ、今日の放課後暇?暇っ?」
「暇じゃない。帰れ。」
だいたい、放課後にお前に構ってたらキャロといる時間が減るしな…。
しゅんとする虎から少し離れ、下僕を呼ぶ。
「ケイトっ、なんとかしろ!」
「いやぁ…なんとかって言われても…。」
「だいたい猫科だからって調子に乗りすぎなんだよ、あの虎は!」
あとバカだし。うざい。
「なぁなぁ、ラウちゃん!」
しゅんとしていたのもつかの間、また虎がしつこく話しかけてくる。
「ああ、もうっ!黙れ!」
「あ、ちょ、蹴りは駄目だってラウ!」
バァンッと虎が避けた変わりに命中した机が吹き飛ぶ。
「ラウってばぁあっ!危ないってばぁっ!」
跳び蹴りやら色々な蹴りを繰り出すも、虎はそれを軽々とかわす。
「ちょ、ラウちゃん落ち着けって!!」
「っち!死ねっ!」
思いっきり足を伸ばす。手応えはあった。
が…吹き飛んだ先にいたのは下僕だった。
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