八番手:コテツ




俺は虎のコテツだ。
最近、一目惚れってのを体験した。その相手っつーのは隣のクラスのすげーかわいい兎だ。
その兎…ラウちゃんは男らしからぬ容貌を持っていて、くりっとした瞳がキュートだ。
そんなラウちゃんの隣には、下僕と称される犬がいるんだが、ぶっちゃけすげー羨ましい。

そんなこんなで、学校でラウちゃんにアタックを頑張っていたある日のこと。ラウちゃんの下僕によく似た…同じクラスのケントに声をかけられた。
そして、ラウちゃんの家の情報を教えて貰ってここまで来たんだが…。

「ラウちゃーん?」

一度顔を出してからもう10分は家から出てこない。学校遅刻しちまうぜー?
しかたねぇから、チャイムを鳴らすと、表れたのは狐のお兄さんだった。

「?…あんた誰だ?」
「いや、あなたこそ誰ですか(笑)…ワタクシはここの家政婦みたいな感じですかね。」
「はーなるほど。あ、ラウちゃ…ラウいるか?」

狐は首を振った。横に。

「もういませんよ。さっきケイトくんと裏口から出て行きました。」
「な!!」

待ちぼうけか!!、相変わらず逃げるの上手いなラウちゃんは…。
つか、ケイトと一緒って…あいつは良くて、俺はだめなのかよ…!あ、もしかして、人見知りとかなのか?だったら、こんなに迫られたら嫌がられるよな。
く〜っ配慮が回らなかったぜ。ラウちゃんごめんっ。でも、俺は俺だ!こうなったらしつこくいくからな!

「…あの。」
「ん?なんだよ。」
「学校遅刻しませんか?」

家政婦サンに言われて腕時計を見るとあと3分ほどで予鈴がなる。

「げぇっ!!」

全速力で駆け出した。

「ふふ、キャロくんほどではありませんが、ラウくんも可愛らしいですからね。」

家政婦サンがなんか言った気がするけど、時間がやべぇ…急がねぇと!

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