五番手:キャロA




俺がケントの部屋を出た後、ずっとドタバタとうるさい。
そもそもどうでもいいことで争うのは止めて欲しいんだが…まぁ、別に俺に止める義理はないしなっ!でも、怪我はしてほしくない…な。

「と、そろそろ朝食を食べないとあいつらが来ちゃうな…。」

一人で、朝食を取る。別に寂しくはない。むしろ静かでありがたいくらいだ。
片付けはテンコがやってくれるから、流しに食べ終わった食器を置く。
それから、学校の荷物を取るために二階の自室へと向かう。未だにケントの部屋からはうるさい声が響いている。
声を掛けるべきか戸惑ったが、やめておく。消して朝食を一人で食べなきゃいけなくなった逆恨みとかじゃないからな!

「…だいたい、あいつらが遅刻したって俺には関係ない…しな。」

自室で着替え等の支度を終わらせ居間に行くと、タイミング良くチャイムがなった。

「おっはーキャロ!」
「おはよう…キャロ」

玄関に現れたのは、狼の双子。俺の親友だ。
元気なほうが弟のウェルフ。おとなしいほうが兄のウォルフだ。

「あれ?ケントたちはいいの?」
「いい。喧嘩してるあいつらが悪いんだからなっ!」
「そんなこと言って…あとで後悔するのはキャロだろ?」
「うっ。」

どうも双子には見栄は通じない。俺がどもっているとウェルフが頭をわしわしと撫でてくる。

「ま、ケイトが来るからいいんじゃない?」

ケイトとはケントとよく似たいとこで、ラウ曰わく僕の下僕だそうだ。
ケイトは毎日ラウを迎えにくる。だから、とりあえずは学校に来れるはずだ。

「そう…だな。じゃ、行くか。」

俺たちは学校へと歩みをすすめた。


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