四番手:テンコ




はじめまして、ワタクシは狐のテンコ。実名ではないのですが、まぁ、キャロくんがつけてくれた名です。
さて、ワタクシはこの一軒家の屋根裏に住まいを構える住み込み家政婦として居候させていただいてます。
もちろん…半ば強行気味ではありますが、あいてが折れればこちらのものですよね(笑)

なぜそんなにもこの家にいたいのかですって?それは単純な理由ですよ。
ここにキャロくんが住んでいるから!

キャロくんはワタクシが今までみたどの子よりも可愛らしく美味しそうなんです。いつもいつも食べてしまいたくなる。

それはさておき、朝食の支度が出来てもキャロくんが来ません。あのわんこちゃんを起こしにいって、もうかなり経つんですけどねぇ。
しかたありません。様子を見に行きましょう。わんこちゃんことケントくんの部屋もキャロくんの部屋も二階にあります。階段を上がった突き当たりがケントくんの部屋です。

その部屋の前に立つと同時に、かわいいかわいいキャロくんが飛び出てきてワタクシの胸に飛び込んできました。

「っわ…!?」
「おやおや、大丈夫ですか?おはようございます、キャロくん。今日も美味しそうですねぇ」
「あ、こら!離せ、テンコ!!」

体格差を利用して抱きしめてしまえば、キャロくんはいとも簡単に動けなくなってしまうんです。
2人っきりならこのまま押し倒して頂いてしまいたいところなのですがね。

「テンコォ…、今すぐ俺のキャロから離れろよ。」
「グズ狐のくせに抱きつくなんて何様なの?」

しかたなしに、キャロくんを離すと、キャロくんは勢いよく部屋の外に飛び出し、一階へと向かってしまいました。

「あら…。そんなに照れてしまったんでしょうかね?」
「んなわけねーよ!テンコなんかに抱きつかれてだれが嬉しいわけないじゃん!」




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