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ガシャンッ!

そんな音で俺は飛び起きた

「いい加減にしろよ…

仕方ないことだったんさ……っ
オレらは昨日必死に戦った
どうしても助けらんなかったんだよ…っ
戦争なんさしょうがねェだろ!!諦めて立てよ!!!」

なんで、ラビがどなってリナリーが涙を流しているんだ
しかも、ブックマンに技を決められてるし…

「スマンなリナ嬢
ほれ、きつくお仕置きしとくから」
「ぐげがぎごげぶぶっっ」

あー、痛そう
それにブックマンは何かラビに言ってるみたいだけどラビが辛そうな顔をするのはやだなぁ

殺そうか……?

音をたてずに寝かされていたソファーから起き上がるとミランダと目があった

ミランダは此処に配属されたのか
個性的なメンバーが揃ったなここは

「あっ…」
『しぃー…』

ミランダが声をあげようとしたから人差し指を口に当てて首を傾げたら真っ赤になった
男に免疫がないのかな?

「私には"時の破壊者 "と予言を受けたあの小僧が死んだとはどうも信じられん

室長殿に頼み込んでクロス部隊に入れてもらったのはあの小僧に興味があったからでな
時の破壊者の"時"とはある人物を指しているのではないかと
"時"すなわち"千年"…

アレン・ウォーカーは千年伯爵を破壊する者ではないだろうか

ならばこんな所で死ぬハズは無い」
『あー、それね俺も思ってた』

俺が発言したとたん皆が一斉にこっちを見た

「晃也、やっと起きたさ!俺のことわかるか?」
『何いってんの分かるに決まってるだろ
ラビ』

ラビが抱きついてきた
ヤバイ…今なら死んでもいい

ふと、リナリーの方を向いたら目を見開いてて俺を見ていた

『リナリー…おいで』

笑って言ってやったらリナリーも抱きついてきた

あぁ俺はここまで心配してもらえる程仲良くなってしまったんだ…
ラビだけだったんだけどな

ここまで守りたいと思ったのは

でも、俺が守れるのはほんの僅かしかない
人一人ですら危うい
だから、ごめんねリナリー

君を守りたいだけど、守れないや

「もう、一生目を覚まさないかと思ったの
晃也の上半身を覆い尽くしてた痣が貴方を死に追い込もうとしてるみたいで……」
『見たのか!?痣を…』
「ええ、此処にいるみんなが」

終わりだ…
この痣を見られたらもう

ブックマンはこの痣の意味を知っているだろう
ラビは………どうなんだろうか?

「どうしたの?晃也
その痣がどうかした」

リナリーに声をかけられはたと気づく

さっきリナリーは上半身を覆い尽くしていたと言わなかったか?
俺が最後に見たときにはまだそこまではいっていなかった

縺れる手で服を脱ぐ
上が全て脱げ、体を見てみると痣が広がっていた


腕は手以外の所が全て蔦の痣があり上半身は全て蔦の痣が絡まっていた
痣は首にもかかろうとしている

『なんでだよ…
まだ、大丈夫なハズだろ?こんなとこで死ぬわけにはいかないんだ』

そう言った俺を嘲笑うように痣は俺を締め付けた

『ぐっ…がぁ……』
「晃也!」
『来るな!!ラビ
がはっ、来たらお前ま、で巻き、込まれる』

痣は締め付けることを辞めおとなしくなった

『けほっ…こほっ…
はぁーはぁー』

痣が意識を持つように俺を苦しめた
なんなんだこれは

今までこんなことはなかった
だとすれば、

『死が近い、か……』


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