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「伏せて下さいラビ、晃也」
「へ?」
『おい!ラビ伏せろ!!』

ぐいっとラビを引っ張るとラビがちょうどいた場所にアレンの銃型の腕が通り打った

「5、4、3、2、1」
「火判!!!」

最後のアクマはラビが倒したけど、中国に入ってからアレン戦いすぎじゃね?

「ぷうっ
もぉーイヤさっお前が怖ぇ!!アクマよりお前が怖ぇっ!!」
「えっ?どうしててすかラビ」
「突然打ち出すなつってんさ!!」
「仕方ないでしょ僕は少しでも被害を減らそうと」
『二人とも落ち着け…
それに、アレンお前どうした?何かあったか』

アレンは中国に入ってから何かに焦っているような感じがする
その何かは分からないから大変なんだが

「どいてっ」
「うわ!?」

空から声がした思ったらリナリーが降ってきた




「ただいまー

?何してるの三人とも」

リナリーが空から降ってきて俺たちの居たすぐ近くに降り立った

……降り立った?
違うなあれは、破壊したかな
地面ぼろぼろだし…

「おかえりリナ嬢どうじゃった?」
「うん、捕まえてきたわ
はい
まだ胃袋に入ってないわよ」

にこやかな顔で笑うリナリーだけどどんだけの早さでここまで来たのか猫の顔でわかるな
泣きそうになってんもん
あっ、咥えてたものペッて吐き出した

「あー良かったティム」
「コイツがいねェとどこ行きゃいいかわかんねェもんなぁ」
「しかしよく喰われるな…」
『形が咥えやすいんじゃね?』

丸くてふわふわ飛んでたらそりゃ猫も咥えたくなる
まぁ、今の猫は御愁傷様だな
リナリーのダークブーツのえじきにされたんだから

「ティムキャンピーお前も少しは気をつけろよ!」

ティムはアレンの言葉に何も返さない
反抗期か…?
でも、ゴーレムて反抗期するのか?
ティムはクロス元帥のだしなぁ

「それにしても一体いつになったらクロス元帥に辿り着けるんであるか?
中国大陸に入ってもう四日
ティムの示す道を行けど一向に姿も手掛かりも無い
まさか元帥はもうすでに殺され…」
「あの人は殺されても死にませんよ」
「言ってっことおかしいぞアレン」

ふと、俺の左手に違和感が感じる
麻痺しているような
手は動かせるが何かが手から崩れていっている様な違和感
思わず手を開いたり握ったりしてみるけど違和感は取れない

「でも、こんな東の国まで…
一体何の任務で元帥は動いているのかしら」

リナリーがアレンの腕をふと見た

「ちょっと左腕見せてアレンくん」
「あっ」

アレンの腕はぼろぼろで今にも崩れそうになっていた

「うわ!?う、腕が崩れてんぞおい!?」

あぁそうか、だから手に違和感があったのか
元となるイノセンスが壊れたら俺にはもうそのイノセンスは使えない
だから、俺が今まで見たイノセンスで使えなくなっているのがあったとしたらそれは………

アレンの腕はこれ以上酷使したら壊れていただろう
これからは俺もアレンの腕使うの控えなきゃなぁ
80%しか力が出せないのにアレンの腕を使う意味が無い

「だ、大丈夫っケガじゃないですよ?ホラ!最近ずっとアクマと交戦続きだからちょっと武器が疲れちゃったというか…」
「武器が疲れるなんて聞いたことねェぞ?」
「なんだろ、寄生型だからとか?」
「適当に言ってんだろ」
「確かに
おぬし、左目が開くようになってからわしらの倍は戦っとるからな」
「以前から思ってたんだけど…
アレン君の左腕って…少し脆いよね」
「……?リナリー?」

リナリーがうつむく
それは何か辛いものを耐えるのを隠すように俯いているように見えた


アレン…
お前の目、もしかして前より強くなったのか
それで、アクマが見える範囲が広がってそこに居るアクマすべて一人で破壊しようとしているのか…
そんなことをしたらアレンの腕は壊れてしまう
そして、神の使徒じゃ無くなってしまう

そんなことさせるものか……
アレン、時の破壊者と予言を受けたお前
ラビのために早くあいつを殺してくれ
俺はお前があいつを殺すまでどんな手を使ってでもいかしてみせる


***



中国のとある繁華街―――

店やってる人にクロス元帥の行方を聞いてんだけど一向に見つからない

『なぁ、ラビ…こんなところに本当にいんのかな、クロス元帥』
「そうさね〜、でもとりあえずは手当たり次第探すしか無さそうじゃん?」

やだなぁ
ラビと一緒に居られるのはいいんだけど最近睡眠が足りてない
こないだ、こっそり痣を見てみたら広がってた
俺は…

クロス元帥を見つけるまで生きれるか分からない




「リナリー!!このおじさん何か知ってる見たいです!!」


何か、アレンが発見したようだ

「晃也?行くぞ?」
『あ、うん』






***

「『妓楼の女主人?』」

ラビとハモった…

「饅頭屋の店主がいうには最近、その女主人にできた恋人がクロス元帥なんだって」
「なんて師匠らしい情報」

わいわいガヤガヤと話してから店に入ろうとしたらデカイ女が出てきた
イヤイヤイヤ、本当に女?
男よりつーか俺より力がありそう…
ひ弱だからな俺

「待てコラ
ウチは一見さんとガキはお断りだよ」
「ご、ごめんなさい何かよくわかんないけどごめんなさい」
「うそだ!女!?」

女はラビとアレンをやすやすと持ち上げた

『おい、女…その手を離ムグッ何すんリナリー!』
「晃也は黙ってて!!
仲間を離して!私達は客じゃないわ!」

リナリーに口塞がれてんですけどー
いいじゃないか別に啖呵切ったって
ラビに手を出したんだから

「晃也、ブスッとしてないで行くわよ」
「どこに?」
「裏口よ!わかったらさっさと歩く!」

裏口から入ったそこはまるで………
貴族の屋敷でした

『なっ……!』

俺は中に居た女主人の顔に驚いてその人の紹介なんて聞いてなかった

「いらっしゃいませエクソシスト様方
ここの店主のアニタと申します
はじめまして
さっそくで申し訳ないのですがクロス元帥はもう、ここにはおりません
旅立たれました
八日ほど前に
そして…」

その言葉を聞いて俺たちは愕然とした
でも、俺はなんであの人と同じかおのこの人がいるのかが分からなかった
だって、あの人はもう


死んでいる




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