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「地面にペンタクルが浮き出てる!」
「アクマの血のウィルスだ」
「まさか・・・
この墓にいるのはアクマ・・・!?」
『多分な』

だから、フランツが食べられたときペンタクルが浮き出たって事はあいつがアクマだったってこと

「こっちのにもペンタクルが出てんぜ晃也、アレン
そういえば、さっき食人花がフランツさん喰った瞬間ペンタクルが見えたよな・・・・・?
ありゃあ、もしかして・・・」

二人も気づいたらしい
でも、確かめるためには掘らなきゃだよな・・・
絶対に腐ってる・・・

「アクマを食べたから・・・!?
掘ってみよう、ラビ晃也」
「・・・やっぱ、確かめるにはそれしかねェか・・・」
『え・・・』

本当に、掘るしかないのか!?
ほかに方法・・・ない・・・な

「僕らは・・・何か大きな間違いをしてるかもしれない・・・」

あぁ、無理だ
腐ったしたいなんてグロテスクなもの
想像するだけでもだめだってんのに実物見るとか・・・
渇いた笑いしかでねーよ

***


あれから、俺達は墓を掘っていた
掘るのって何気に疲れる事が実感した

ガコン

「・・・出た」
『長かった・・・』

あーもう眠い

『ふわぁあ〜「「じゃんけんポン」」――ッ!!』

びっっくりした〜
思わずグーを出したけれど勝ったみたいだ

「じゃっ、失礼します!」
『ちょっ、ちょっと待て!』

俺はそそくさとラビの後に隠れる

『もう、いいぜ』

アレンは俺の言葉を聞いて墓の蓋を開けはじめる

「・・・・・・・・・・」
「皮の肉が腐ってる
アクマだ」

実況しないで欲しい
でも思った通りだ
墓にはアクマが埋まってた
そのアクマはクロウリーが襲ったやつ
普通の人間ならとっくに死んでる
でも、クロウリーは生きて村人を襲っている
なら、クロウリーは・・・
一先ず、ほかの墓を調べてからだな

『ラビ、アレン
ほかの墓も調べるぞ』
「ああ、そうだな」
「分かりました」

俺達は無心に墓を掘り返した

「全部アクマだ・・・
地面のペンタクルは外装が腐って中身が漏れたんだな」

ほかの墓を全て掘り返したらとてつもなく臭い
けど腐ってるアクマの死体なんか見たくないからラビの後ろに隠れる

「男爵はアクマを襲っていた
'アクマだけ'を襲ってたんだとしたら・・・?」
「こりゃ吸血鬼退治じゃないさ
クロウリーって奴は・・・」

気配がすぐ後ろにある
反射的にラビを庇いながら振り向く

「ラッ、ラビ!晃也!!」

いや、振り向こうとした
振り向く前に吹っ飛ばされた

バァンッ――!

体が壁にぶつかってようやく止まる

『ゲホッゴフッ、ラ、ラビハァ、大丈夫か・・・?』
「お前の方が大丈夫か!?血吐くなんて、どこ打たれた?」

あぁ、良かった
元気そうだ
でも、目が霞んでキミの顔が見えないよラビ
瞼が重い
眠いなぁ
でも、本当に良かった
ラビに怪我がなくて
あの時心に誓った事を守れた
守れなかったなら俺はどうなっていたんだろう?
そんな事より眠い・・・
ラビ、今は少し寝かしてくれ
すぐに起きて、君の事守・・・る・・・か・・・ら・・・

「晃也!目開けるさ!晃也!」

悲痛な声でラビが叫んでいたなんて気を失った俺が知るよしもなかった



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