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「黒の修道士さまがクロウリーめを退散させたー!!
今宵、勝利は我等にありー!!!
その調子でクロウリーめを退治してくださいまし!
黒の修道士さま!!」

クロウリーが城に戻ったあと村人達は何か雄叫びをあげていた

それもなぜか

「あの・・・
なーんで皆そんなに離れてるんですか?」
「お気になさらずー!!」
遠くで

「クロウリーに噛まれたお前が吸血鬼になると思ってるんさ
気にすんなアレン」

そういっているラビこそ信用がないと思うのは俺だけだろうか?
だって、にんにくぶら下げて杭まで持ってるって・・・・

『そんなに用心しなくても大丈夫だろ
噛み付いたら吸血鬼になるって所詮はお話のなかだけだろうし』
「そうですよ!
さっさと城に行きますよ!」
「あれ何?急にやる気満々?」
「村人がひとり連れて行かれたじゃないですか
あの状況じゃ死んだかわからないし、もしまだ生きてるなら助けないと」

でも、多分死んでるよなぁだって、あの人持ちながら戦ってたわけでしょ?
生きてた方が奇跡

「クロウリーは獲物を城へ持ち帰ってゆっくり喰うのです!
犠牲者の8人もみんなそうでしたー!」

え゛っ肉も喰うのか?
あのクロウリーって奴

「う゛ええーーー?」
「村長さん達はここで待っていてください
城へは僕とラビと晃也で行ってきます」
「もちろんです!!
あんな化物同士の戦いの中にいたら人間の我々は死んじゃいますからーー!!」

「オレらも化物!?」
「あれ?なんか虚しい気分・・・・」
『しょうがねーよ
だって、ラビはあんな大きな槌振り回してたし、アレンは腕が変わっちゃうんだから』

ぐちぐち文句を言いながら俺達は城に入っていった

「まったく、なんでエクソシストが吸血鬼退治なんかやってるんさー」
「でも、何かおかしくないですか?
この吸血鬼事件と師匠と何の関係があるんだろう
師匠は一体何をしにここへ・・・?
よく考えると僕らに吸血鬼退治させるためにあんな伝言残すなんてちょっと変ですよ」

何か匂う気がする

「何だよ?じゃあ、オレらは一体・・・い」
「えっラビ!?」
『おいラビ!?どうし・・・アレン!息止めろ!』

この、匂いか!
さっきからしていたのは

「この甘い香りは確か・・・!?うわっ!?」
『っ何なんだ!?』

なにかに吊り上げられるように俺達は宙に浮いた
しかも、変な恰好になっている

「花?い゛っ!?」

アレンの前に合った花が開いたと思ったら、他の花も一斉に開いた
しかも、襲ってきた

「なんだここーーー!?」

イノセンスを使うしかないのか・・・
めんどくさい
そう思ってても仕方がないので発動はするけど
さっき嗅いだ匂いのせいか目が霞んできた

「食人花か!」
『この花人喰うのか?アレン!』
「はい!そうです」

だったら、やべぇじゃんラビ
気を失ってるから格好の餌食だ

「ラビ!!」
『おい!ラビ起きろ!』

ここからじゃ遠すぎて聞こえてないのかそれとも攻撃音で聞こえてないのか、ラビは起きる気配がない

「起きてくださいラビ!!
くっそ!どんどん巻きついて・・・
ラビ起きて!!」
「・・・う・・・ほえ・・・?」

ラビが起きた
多分食べられる心配は無くなった

「こらそこの人間共ーーー!!
何してる!!この子達はアレイスター様の大事な花よ!!」


バキューン

・・・変な音が聞こえた気がする
ラビの方に視線を向けると目がハートになっていた

「ラビ?」

あぁ、やっぱりラビはああいう綺麗なお姉さんが好きなんだ
俺なんて到底敵いっこないじゃんか
綺麗でもないし、可愛くない
そもそもそれ以前に俺は男だ
比べる事事態間違ってる

「晃也!!あんたも聞けぇえ!!」
『っ痛ぇえ!何すんだよ』

アレンが俺の頭を左手で殴った
めっちゃ痛かった
まあ、暗い気分にならずにすんだけど・・・

「あたしはアレイスター様の助手のエリアーデ
あんた達ここに何しに来たわけ?」
「吸血鬼退治V」
「男爵に連れ去られた村人を捜してるんです!」
「村人ぉ?
ああコレ?
今から埋めにいくところだけどぉ?
欲しいなら・・・
あげるわ」

そういって投げられたものは綺麗に放物線を描きながら落ちていき、花に食べられた
だけど、何か花の様子がおかしいと思ったときには遅かった
俺達は外に投げ出されていた

「「『がはっ』」」
「す、すげーさオレら・・・!!
死ぬかと思った
ちょっと本気で死んじゃうかと」
「打撲程度ですみましたねさすが特製の団服・・・」
『ケホッ、コホッ
痛ってーな、俺地味に頭打ったんだけど』

運が良く俺達は瓦礫の下敷きにならずにはすんだ
さっき頭を打った所が本気で痛い
くそ、よりによって頭を打つとか・・・!

「ちょっとオレ吐いていい?腹打った」
『えぇ!ラビ大丈夫!?』

気持ち悪い時ってどうすんだっけ?
こういう時の自分が嫌になる
何も出来ない
それが歯痒い

「!ラビ、晃也!」
「あ゛い?」
『何だ?』
「・・・墓地だ」

アレンが見ている方向をみると確かに墓地があった
でも、かなり簡素だ
それが、八つある

『行くか・・・』
「そうですね」

俺達は墓地に向かった


「ずいぶん粗末な墓さ
ペットのかね」
「・・・・・・!
これ・・・連れ去られた村人の墓じゃないですか」
「へ?」
『あ、アレンもそう思う?
さっき、なんだあの人えーとまぁいいや、その女の人がフランツを埋めに行くって言ってただろ?
それに、数が八つだ』
「うん、村長さんが言ってた犠牲者の数と合いますよ」
「ん?クロウリーにやられたんは九人だろ?」

アレンがラビに人数の説明してんだけど、あのまま墓に触ったら絶対壊れるよな・・・

パキン

「あっ」

やっぱりな
やると思った

「あーーーーっ壊した!」
「うあ、ちょっと触っただけなのに!!」
『二人とも落ち着け
地面みてみろ、面白いものが見えっから』

俺は、地面を指さす

「これ・・・!」
「!?」



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