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ラビに落書きされた顔を洗っていたアレンが帰ってきた

落としちゃったのか・・・面白かったのに

「さて
まずはわかっている情報をまとめよう」

ブックマンが地図を広げ情報を集める

「なんだ、もう取っちゃったのかよ
面白い顔だったのに」
『そうそう、別にそのままでもよかったのに』
「ホントやめてください」
「しゃべるな、そこ」

小声でしゃべってたのにブックマンに注意された

「今、私達はドイツを東に進んでいる
ティムキャンピーの様子はどうかな?」
「ずっと東の方見てるわ」
「距離が、かなり離れてると漠然とした方向しかわかんないらしいから
師匠は、まだ全然遠くにいるってことですかね」

まだまだ遠いのか
そう考えると眠くなってくるなぁ
あ・・・やば・・意識が・・・



目が覚めると、ラビの顔が見えた

「あっ、晃也起きたか〜?」
『・・・え?あれ?は・・・何で?ってうわぁあぁあ!!』

俺は飛び起きた

だって俺が寝る前はラビは俺の隣にいて
今ラビの顔を下から見上げてた

いわゆるひざ枕をしてたんだよ!

恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい

『ちょっと外の空気吸ってくる』

顔を冷やそう
そう思って外に出たのに、こっちはこっちで重い雰囲気
アレンがリナリーにあやまっている

「すみませんでした」

頭を下げたところに、リナリーが今日の晩メシらしきものをおく

うわ、重そう・・・

「う゛お!?」
「顔あげちゃダメ」
「は?あ、はい」
「まだ許さないんだから
アレンくんは勝手だよ
自分にしかアクマの魂が見えないからって・・・・・全部背負い込んで、自分ひとり犠牲にして戦ってる
私達、何のための仲間なの?
バカにしないでよ・・・・どうして一緒に戦ってくれないの
キライよ・・・
アレンくんの左眼なんかキライ・・・」

リナリーが泣いてしまった

そんなリナリーに嬉しく思う
仲間だと言ってくれた
忌み子だと罵られていた俺を仲間だと言ってくれた
なのに、痣のあるところが痛い
そう思う嬉しく思う度に痛みが増していく
仲間を嬉しく思う事が許さないみたいに
俺はその場に座り込んでしまった

「晃也!?大丈夫!?」
『あ・・・っリナリー
大丈夫・・・ちょっと酔っただけだから』
「この汽車動いてないわよ・・・
本当に大丈夫?」
『あぁ、それより皆のところに戻ろう』

俺達はラビのところに戻ったんだが

「あれ、アレンは?」

アレンがいなかった

「オレっすか」
「お願い、ラビ!
アレンくんきっとさっきの駅で乗りそびれちゃったんだわ
戻って捜してきて!」

あのあと、汽車の中をくまなく捜したけどアレンはいなかった
そこで、ラビにお願いしてるんだけど

「ガキかあいつは・・・」
『じゃあ、俺がいこうか?』
「晃也、無理しないで!さっき、あなた倒れたじゃない」
「行け、今ならおまえの如意棒でひとっ飛びだろ」
「槌だよパンダV
うーん、なぁんかヤな予感すんなぁ〜〜〜」
『じゃあ、俺もついてくから一緒に行こうぜ
リナリーも、ラビが一緒ならいいだろ?』

まあ、本当はラビと二人きりになりたいだけだけど

「分かったわ
じゃあ、二人でお願いね」

俺とラビはラビの槌でさっきの駅まで戻った
で、戻ったはいいんだけど

『アレン何処だ?』
「あそこじゃね?
光が家から漏れてるし」

俺達はその家まで歩いていった
つーか、どうやって家に入るんだ?
悩んでいたらラビが言った

「んじゃ、#晃也は此処で待ってろ
俺が行ってくっから」
『あ、うん分かった』

ラビが家の中に入っていってから1時間たった

流石に冷えてきた
はぁ〜と息を手先に吹き掛ける

『遅いな・・・』

呟いた途端家の扉が開いた
アレンとラビは無事だったが、なぜか手首に縄が括り付けられていてその縄の先は眼力がヤバいオッサンに握られていた

『ラビ!?それにアレンもどうした!?』
「晃也、くんじゃねぇ!」
「黒の修道士様だぁあぁ!!」

黒い服を着たオッサン達はそう言うと俺に向かって走ってきた

『え・・・?
ちょっ、こっち来んな!
うわぁあ、、、ひゃん!』

揉みくちゃにさたあげく変な所を触られた
人間相手にイノセンスを使えるはずもなく多勢に無勢で呆気なく捕まってしまった

「晃也大丈夫か・・・?」
『変な声出しちゃった
死にたい・・・』

それから、アレン達から事情を聞いてクロウリー男爵?の城に向かっている

《そっか・・・
クロス元帥が残した伝言なら従った方がいいわね》
「リナリーとブックマンはティムと先行っててください」
《わかった
さんにんとも気をつけてねその・・・吸血鬼に噛まれると吸血鬼になっちゃうらしいから
ならないでね!!》
「「『うん・・・』」」

吸血鬼の話信じてたんだリナリー
まぁ、女の子だしな

「今どき吸血鬼なんてなぁ##NAME2##、アレン」
「ですよね」
『まぁ、調べてみる価値あんじゃねーの?
確か、昔教団で吸血鬼伝説の本見たことあるし』

二人に勢いよく見られたんだけど、どうすれば

「さんにん共!止まって!」
「クロウリー男爵の城門です」

見上げると不気味な門が建っていた
あっ、無理・・・
怖い怖い怖い怖いぃぃぃ!何で、あんな怖い門を造ったんだよ!
思わず、ラビの団服の裾を握る
したら、握り返してくれた

「この門をくぐると先はクロウリーの所有すれ魔物の庭が広がり
そのさらに先の湖城の頂が奴の住む城です」

ギャアアアア
ウ゛コギギギギブチャッ
ウギャアアアアアア
ボボボボボ
ギヤアア

「「・・・・・・・」」
『し、死ぬ、無理だって』
「さあ、前へ!」
「「うっす」」
『いやだぁぁあ!』

あんな、変な音が聞こえる所に入りたくない!
なのに、扉は無情にも開けられていく
扉を通った先は地獄絵図だった

「クロウリーって奴はすげェ趣味悪いな・・・
あれ?アレン、お前なんでもう手袋はずしてんの?
まさか怖いの?」
「まさか
そういうラビこそ右手がずっと武器をつかえてますけど?」
「オレは怖くなんかないさぁ〜」
『ふふふふふふふふふ
もう、無理、そろそろ限界超えるって』

自分が何言ってるかわからない

ゾクッ

今一瞬何かを感じた
それは、他の二人も同じだった


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