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アクマたちを全て壊し終えた俺達は休憩している

「何体壊った?」
「30・・・くらい」
『俺もそんくらい』
「あ、オレ勝った37体だもん」
「・・・・・・・・・・・そんなの数えませんよ」
「オレ、なんでも記録すんのがクセなのさ〜〜」

ラビはやっぱりすごいと思う
つーか、さっき俺がアレンのイノセンスを使おうとしたとき・・・
左手に違和感があったんだよな・・・
イノセンスが未完成の様な感じがした

「晃也〜?
どうかしたか?」
『な、なんでもない
それよりどうかしたか?』
「病院に戻るんさ
だからここ握って、アレンも」
「何?」

アレンが握ってしまった

『・・・俺は、いいや
ダークブーツ使って帰る』
「そう?じゃあ大槌小槌・・・
伸っ!!」
「うわあああ!?
どわあああ!!」
「病院まで伸伸伸―――んっ!!」

飛んでいった
さてと、俺もそろそろ行くか・・・

『イノセンス発動
-偽花弁-
黒い靴[ダークブーツ]』

タンッと地面を蹴って走り出した
俺が病院に着いた時には病院は酷い有様だった
アレンとラビはこってりとブックマンに怒られた
それから、俺達は汽車に乗っている

「それじゃあ、任務について話すよ
いいかいふたりとも?」

アレンたちは、今正座をさせられている
正直、顔がうける

「「はい・・・」」
「先日、元帥のひとりが殺されました
殺されたのはケビン・イエーガー元帥
5人の元帥の中で最も高齢ながら常に第一線で戦っておられた人だった」
「あのイエーガー元帥が・・・・・・・!?」
『なっ・・・
師匠・・・!』

師匠が、死んだ・・・?
なんで・・・

「ベルギーで発見された彼は教会の十字架に裏向きに吊るされ、背中に「神狩り」と彫られていた」
「神狩り・・・!?」
「イノセンスの事だな、コムイ!?」

会話が頭に入ってこない

「そうだよ
元帥は適合者探しを含めてそれぞれに複数のイノセンスを持っている
イエーガー元帥は八個、所持していた
奪われたイノセンスは元帥の対アクマ武器を含めて九個」
「九・・・っ」
「瀕死の重傷を負い十字架に吊されてもなお、かろうじて生きていた元帥は、息を引きとるまで歌を歌っていた

せんねんこうは・・・・
さがしてるぅ♪
だいじなハートさがしてる・・・♪
わたしはハズレ・・・
つぎはダレ・・・♪」

痛い、痣の部分が熱を持ったように痛い

「センネンコー?」
「伯爵の愛称みたいだよ」
「ほー」

さっきとは別の意味で頭に会話が入ってこない
痣の痛みが強すぎる

「アレンくんと晃也くんとリナリーが遭遇したノアがそう呼んでたらしい」
「あの・・・「大事なハート」って・・・?」
『・・・・・っ』

痛い

「我々が捜し求めてる109個のイノセンスの中にひとつ、「心臓」とも呼ぶべき核のイノセンスがあるんだよ
それはすべてのイノセンスの力の根源でありすべてのイノセンスを無に帰す存在
それを手に入れて初めて我々は終焉を止める力を得ることができる
伯爵が狙ってるのはそれだ!」
「そのイノセンスはどこに?」

痛い

「わかんない」
「へ?」
「実は、ぶっちゃけるとサそれが、どんなイノセンスで何を目印にそれだと判別するのか石箱に記いてないんだよ〜〜〜
もしかしたら、もう回収してるかもしんないし、誰かが適合者になってるかもしんない
ただ、最初の犠牲者となったのは元帥だった
もしかしたら、伯爵はイノセンス適合者の中で特に力の在る者に「ハート」の可能性を見たのかもしれない
アクマに次ぎノアの一族が出現したのもおそらくそのための戦力増強
エクソシスト元帥が彼らの標的となった
伝言はそういう意味だろう
おそらく各地のエクソシスト達にも同様の伝言が送られているハズ」
「確かにそんなスゲェイノセンスに適合者がいたら、元帥くらい強いかもな」

痛い

「だがノアの一族とアクマ両方に攻められてはさすがに元帥だけでは不利だ
各地のエクソシストを集結させ四つに分ける
元帥の護衛が今回の任務だよ
君達はクロス元帥の元へ!」

何かがせりあがってくる感じがした

『ゴフッがはっ』
「晃也!?」
「晃也くん!?」

口を押さえた手を見ればどす黒い赤―――
そこで、意識が途絶えた


**

フッと意識が戻ったのは、汽車を乗り換える駅だった

『・・・ここどこ・・・?』

辺りを見回すと自分がベンチに横たわれているのが分かった
むくりと身体を起こす
その拍子におでこにかけられていただろう濡れタオルが落ちる
血を吐いた後の記憶が一切ないんだが・・・

「あっ!晃也!
目が覚めた?急に血を吐いたから、どうしたのかと思ったわ」
『ごめんリナリー
それより、他の皆は?』
「ラビはアレン君を起こしに行ってるの
でも、よかった晃也が起きてくれて
運ぶのが大変だったから」
『ご、ごめん』

結構な迷惑をかけてしまったらしい

シューー

あ、汽車が来た

「晃也先乗ってて!」
『りょーかい』


俺が、倒れていた間にコムイからこんな説明があったらしい

「元帥達に司令を出しているのはボクじゃなく大元帥の方々でね
複数の任務を与えられたらあとは個々の判断で行動するんだよ

だから、彼等が今どこにいるか正確にわからないんだ
でもまあ三人は月に一回必ず本部に連絡してくるから大体の動きはわかるんだが・・・
問題なのはひとり!
クロス・マリアン元帥だ!!

ご存知の通りクロス元帥は四年近く音信不通
@「死んだ」もしくは
A「任務そっちのけで遊んでんじゃねーか」

と噂は様々・・・
んが!!
キミが現れた!!
アレンくん
クロスの弟子のキミは三年間ずっと行動を共にしてたね!!
ずっと!!」
「む、無理ですよ?
師匠の居場所なんてわかりませんっ」
「コムイー
行方不明の人間をどうやって探すんさー」
「他のチームはそれぞれの元帥の弟子達なんだけど、このチームの場合はティムが案内してくれるよ」
「「ティムキャンピーが?」」
「このゴーレムは科学者でもあるクロスが造ったものでね
契約主の事はどこにいても感知できるハズだ
あとは奴の行動パターンをよく知るアレンくんがいれば袋のネズミさ!」

と、いうことらしいが・・
そんな簡単に見つかるのか?


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