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大通りに近づいて行くと、人が増えていった

『こん中でアレン見つけるの無理じゃね・・・?』
「大丈夫さ〜俺目いいから」
『そういう問題じゃな「あっ!いたさ!」・・・まじ?』
「・・・でも、あいつ何か立ち止まってね?」

嫌な予感がした

アクマを見分けるのにあいつはいつも左目を使っていた
じゃあ、今は・・・?

『っ・・・くっそ』
「晃也!先行くぞ!」

そう言ってラビは駆け出していった

ああ、ラビはやっぱり気ずいてくれた
いつもいつも、気ずいてくれて…
だから、俺は君を護りたいと思う
命に代えても・・・

「あっぶな〜〜〜
なーに、やってんだよ
アレン
立てよ
やっこさんが来たみたいだぜ」

何故、いつも団服を着ているのかと聞かれたら俺はなんて答えるだろう
ある人はこう言った

「バレるために着てんだよ
見えん敵に対してこっちまで姿隠してどーする
こいつは"的"なのさ
こうしてれば近づく者をすべて疑える」

多分、それが正解なんだろう
だけど、俺にはもう一つの意味があるんだ
団服を着ているときはまだあの人のために戦える
まだ必要とされてる
そう、自分自身を奮いたたせるために
そうしないと、絶望に落ちそうだから
ただ、見えない敵に怯えながら的になるなんて俺には堪えられない

「きゃああ」
「人殺し・・・!
人殺しだ!!」

アクマを倒したラビは町の人々に悪いように言われている
何が人殺しだ
てめぇらを助けてやってんだと怒鳴りたい
だけど、ラビはさして気にしてないから抑える

「アレン、大通りは人が多くて危ねェよ
アクマに後ろを取られる
人間を見たらアクマと思わねーと
お前、今アクマを見分ける眼使えねェんだろ?」
「ご、ごめん
ラビは今・・・
どうして・・・」
「ん?」
『やっと、追いついた!
大丈夫か?二人とも』

人が多くてなかなか進めなかったのをやっとの思いでたどり着いた
瞬間、何かがふってきた

ドンッ

「新手か!」

建物の上を見るとアクマがいた

「あちちっこれ熱い!」
『熱気がすごい』

アクマがまた攻撃を仕掛けてきた

「大槌小槌、満満満」

ラビがそういうと槌がでかくなった
そういえば、これ見るの久しぶりだな

「頭、下げろよぉ―――
こんな大通りでんなモン投げっとぉ
危ねェだろアクマ!!」

アクマの放った玉をそれで返したけど、このままいくと建物にぶつかるんじゃ・・・

ズドッ

「あ・・・
あは、ダイジョブダイジョブ
コムイが弁償してくれっさ!」

やっぱり・・・

『コムイの胃に穴が空くな・・・』
「とにかく、場所を変え・・・」
「動くな!!」
「あの子達です
黒服の子供!
人を殺したんです!!」
「キサマら!動くなよ
連行する、来い!」
「あ、いや僕達は・・・」

警官がアレンの腕を掴み連れて行こうとする
俺は、アレンの腕を引っ張り返しラビは警官に対し槌を向けていた

『触んじゃねーよ』
「や、やめなさい
何を・・・!!」
「ラビ!?」
「やめ・・・なさい!」

警官がいきなりアクマになり俺達を襲った

「また、新手!
コイツらオレらとドンパチしに来たみてェだな」
「・・・・・・・」
『とりあえず、人気が少ない所に行かねーと』
「しっかし、反応遅いぞ
アレン
アクマの姿になってから戦闘体勢に入ってたら死ぬぞ?」
「ごめん・・・・・・・・ラビはどうしてわかったの?」

アレンは今迄左目があったから何処にアクマがいるかなんてすぐに分かったんだろう
だから、反応が遅いのは仕方ないんだが・・・

「わかんじゃねェよ
全部、疑ってんだ
自分に近づく奴は全部ずっと疑ってる

昨日会った人間は今日はアクマかもしれない
オレらはそういうのと戦争してんだから
お前だってそんなことわかってんだろ、アレン
オレらはサ、圧倒的に不利なんだよ
便利な眼を持ってる、お前と違ってさ
アクマは人間の中にまぎれちまう
オレや他のエクソシストにとって
人間は伯爵の見方に見えちまうんだなぁ」

そう、アレンのように特殊な眼を持っていない限り俺達には、アクマと人間を見分ける方法なんてない
だから、疑わないといけない

『俺達エクソシストは、いつも疑っていなきゃいけない
どんなに親しい人がいてもどんなに大切な人がいてもどんなに・・・
どんなに愛しい人がいても
その人が、人で有る限り俺達は疑わなければいけないんだ
アクマを倒すために』

そう言い終わった途端、アクマが攻撃してきた

「ラビ!晃也!!」
「ダイジョブ!レベル1ばっかだ
さて、来いよ」

やべ、カッコイイ・・・
いや、場違いなのは分かってんだけどカッコイイ

カチャ

はぁ〜いいところだったのに・・・
アクマめ・・・

『死ねよ、アクマども』

そう言い俺はイノセンスを発動した



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