18

「これは奇っ怪な

潰された左眼が再生し始めている

まだ、何も見えないだろうがしばらくの事だろう

この速さならば三・四日も経てば元に戻る

私の針は必要ない

「呪い」――――

だそうだな」
「昔、アクマにした父から受けた傷です」


今、アレンはブックマンに治療をしてもらっている

俺とラビはそれを見てるんだが・・・

アレンの左目が予想以上に痛々しい

早く治るようで安心した

「アレン・ウォーカー

「時の破壊者」と予言を受けた子供だね

我らは、ブックマンと呼ばれる相の者

理由あってエクソシストとなっている

あちらの小僧の名はラビ
私の方に名は無い

ブックマンと呼んでくれ」


それから、俺とアレンはコムイの所に向かった

「コムイさん入りますよ」
『入るぜ〜』

扉を開けるとそこは資料の山だった

「・・・・・・・・・・リナリーが埋まってる・・・」
『まぁ、いつもの事だろ
それより、コムイだ』


コムイを探すと寝ていやがった
俺だって寝たいのに・・・!

「コムイさん!」

アレンがコムイを起こしてる

「リナリーが結婚しちゃいますよ」

ガチャ!!

あっ、起きた

「おはようございます」
『てめぇ寝てんじゃねぇよ』
「晃也君とアレンくんか・・・
何だい?」

こいつ、俺を無視しやがった・・・!

「リナリーのお見舞いに・・・
まだ、目が覚めてないみたいですね」
「長い夢でも見てるんだろう
ブックマンの治療を受けたから心配はいらないよ」
「ブックマンか・・・
不思議な医療道具持ってましたよ」
「鍼術と云ってね中国太古から伝わる針治療だよ
あのおじーちゃんはそれのスゴ腕の使い手♪」

まぁ、あの手捌きを見たら分かるよな
つか、さっきから俺無視されてない?
されてるよな、絶対!

「・・・・・・・・・・・・・・・・・コムイさん
忙しいのにどうしてわざわざ外に出て来たんですか?
僕やリナリー、晃也のため・・・じゃないですよね
ノアの一族って何ですか?」
「それをウチらに聞きに来たんさ
正確にはブックマンのジジイにだけど」

アレンの問にコムイじゃなくいつの間にかいたラビが答えた

俺は気配で気づいてたけどアレンとコムイは気がついて無かったみたいでめっちゃ驚いてる
その二人は置いといて、俺はラビの隣に移動する

隣に座ったら頭を撫でてくれた・・・
ヤッバ・・・
嬉しすぎて死ねる

絶対顔が赤くなっているから俯く
ラビは俺の頭を撫でながら説明を続ける

「ノアは歴史の「裏」にしか語られない無根の一族の名だ
歴史の分岐点に度々出現してんだがどの文献や書物にも記されてねェ

そんな不明が伯爵側に現れた
だからわざわざ来たんしょコムイは
この世で唯一裏歴史を記録してるブックマンのトゴぇ゛・・・」

手の感触が無くなったと思ったらラビがブックマンに吹っ飛ばされていた

『ラビっ!?大丈夫か!』
「しゃべりめが
何度注意すればわかるのだ
ブックマンの情報はブックマンしか口外してはならんつってんだろ」
「いーじゃんよ
オレももうすぐアンタの跡継ぐんだしさぁ」
「お前のようなジュクジュクの未熟者にはまだ継がせんわバァーカ」
「こンのパンダジジイV」

そういえばこの会話前にも聞いた事あるなぁ

「アレン・ウォーカー」

あっ、ブックマンがラビを無視した

「は、はい!!」
「今は休まれよ
リナ嬢が目覚めればまた動かねばならんのだ
急くでない」

ばたん

俺とアレンとラビは部屋の外に締め出された

『何で、俺まで締めだしくらってんの?』
「まっ、とりあえず外いってみようぜ」

その言葉で俺達は外に向かった

「トシいくつ?」

外に出て雪だるまを作ろうと雪を集めていると、ラビが急にアレンに尋ねた

「15くらい
あれ?そういえば晃也は何歳でしたっけ?」
『ん?俺?俺は18歳』
「あ、オレ達お兄さん
俺も18だもん
15ねェ〜
白髪のせいかもっとフケて見えんぜ
あ、オレの事ラビでいいから
jr.って呼ぶ奴もいるけど

アレンのことは「モヤシ」って呼んでいい?」
『ブハッwww』

モヤシって・・・
どこぞの誰かが言ってたあだ名だな

「は?」

アレンが持っていた雪を砕きながら聞き返す

「だってユウがそう呼んでたぜ」
「ユウ?」
「あれ?
お前知らねーの?
神田の下の名前

神田ユウっつーんだぜあいつ」
「そうなんだ
知らなかったや
みんな「神田」って呼ぶから・・・」

まぁ、神田は下の名前で呼ばれるの極端に嫌うからな

「今度呼んでやれよ
目ン玉カッて見開くぜきっと
まあ会うのはしばらく先の話になるかもしんねェけどな」
「どういうことですか?」
「ん―――
オレの予感だけどね
今度の任務はかなり長期のでかい戦になんじゃねーかな

伯爵が動き出したんだ
ノアの一族の出現ってそういうことだろ
気ィーしめていかねーと・・・」

そう、ノアだ
ノアの一族が動き出したんならこのままではいられない

「僕は・・・
アクマを破壊するためにエクソシストになったんだ
人間を殺すためになったんじゃない・・・」

アレンの雰囲気が変わった

「・・・・・・・・・おい?どした?モヤシ」
「アレンです!!
ちょっと歩いて来るんで先戻っててください!」

だけど、またいつものように戻っていた

「あちゃあ〜?やっぱ、ガキだ」
『まっ、まだあいつは15なんだ
仕方ねーよ』

そう、まだ15なんだ
それなのにあいつは・・・

「晃也〜
アレン、迎えに行くさ」
『っあ、ああ
そうだな、迎えにいかなきゃあいつ迷子になるし』

何を考えてるんだ・・・
アレンがアクマを愛しているいや、それ以上にアクマに依存している
まるで、アクマがいなければ自分が存在していないような

「晃也・・・?どうかしたさ?」
『何でもない・・・行くか!アレンを迎えに』

考えていても、どうしようもないと頭をふった
まさか、その時の考えが当たっていただなんて今の俺には知るよしも無かった



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