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三日後――
34回目の10月9日

「ピーテル劇場のホラー演劇「カボチャと魔女」は本日公演〜♪」
「チケットはいかがですか〜?」

アレンとミランダは今演劇のチケットを販売するバイトをやっている

俺達はそれを影から見ている

というか、アレンスゲー
ジャグ・・・ジャ・・・
まぁ、何て言うか忘れたけど球とナイフを手と足で回すあれ
めっちゃ上手い

『リナリー、アレン達のとこいくか?』
「そうね、行きましょう」
アレン達は建物の中に入って行ったから、ドアをそぉっと開けてアレンを呼ぶ

「アレンくん」
「!」
『どうだ?この仕事?』
「うまくいったら正社員にしてくれるそうですよ」
「ホント!?」

俺達はさんざん考えた結果ミランダのイノセンスが強い絶望感にイノセンスが反応したと推測を立てた

その、絶望感ってのが俺は聞いてなかったからリナリー達に聞いたんだが・・・
失業100回目とか・・・
思わず笑ってしまった
リナリーに怒られたけどな・・・

「アクマもあれから音沙汰ないし・・・

今のうちに決めたいですね」
「うん そうね
この三日間ですでに5件クビになってるし・・・

それにしても
アレンくんって大道芸上手だね」

確かに・・・

俺だったら、無理だな
球に乗ったらすっ転ぶ

「僕 小さい頃ピエロやってたんですよ

育て親が旅芸人だったんで食べるために色んな芸を叩き込まれました

エクソシストになってそれが活かせるとは思ってませんでしたけど」
「じゃあ、色んな国で生活してたんだ
いいなぁ」
『何か、毎日が面白そうだよな』
「聞こえはいいけどジリ貧生活でしたよ〜

リナリーと晃也はいつ教団に入ったんですか?」

いつ、教団に入ったか・・・か

呪いの事もあるから、そんな詳しくは言えないけど入った年齢ぐらいはいいか

『俺は、多分6歳くらいの時。よく覚えて無いけど』
「晃也は私が教団に入った頃には確かもういたよね?

私は物心ついた頃にはもう教団にいたの

私と兄さんはね両親をアクマに殺された孤児で・・・・・・・・・・・・

私がこの「ダークブーツ」の適合者だとわかってひとり教団に連れてかれたの

唯一の肉親だった兄さんと引き離されて自由に外にも出してもらえなくて
正直、初めはあそこが牢獄のようだった

何回も脱走して捕まって、最後には縛り付けられた

そこに兄さんが来たの

3年ぶりだった
コムイ兄さんは私のために「科学班室長」の地位について教団に入ってくれたの」
「すごいなぁコムイさん」
「うん
だから、私は兄さんのために戦うの」

誰かのために戦う・・・
としたら、俺は誰のために戦う、戦えるんだろうか
あの人の為に戦うのだろうか

アクマを倒すのはあの人のため等と言っているが本当は、自分の為のくせに
最後には結局自分の為にしか戦えて無いじゃ無いか

「兄弟かぁ・・・
いいなぁ」
「あっ!
ね―――――
そこのカボチャァ――――「カボチャと魔女」のチケットどこで買えばいーのぉー?」

「いらっしゃいませー♪
チケットはこちらでーす♪
じゃ!リナリー、晃也
後半がんばってきます!」
「がんばって」
『おう、行ってこい』

にしても、アレン生き生きしてんなぁ
金を稼ぐのがそんなに楽しいのか・・・?

「何だと!!!
売り上げ金をスリに盗られただと!?」

うっるさ!
何だよ、大きな声出して

「す すいません」
「バカヤロウ!!」

「お嬢ちゃんちょっと待ってて

ミランダさん」

アレンが走ってミランダの元に行く

「アレンくん
ごめんなさい他のお客さんにチケット売ってるスキに・・・」
「スリの姿は見ました?」
「茶色い上着の長髪の男・・・
あっちへ逃げたわ・・・・・・・・・・・・」
「リナリー!」
「上から行くわ」
「大丈夫
捕まえてきます」

おい、ちょっ!
ミランダ置いてくのかよ

「アレンくん・・・」

「役立たず」

オッサンが意味不明な事を言ってるが気にしていられない

『おい、ミラ・・・・』
「何で私ばっかりこうなのよ・・・
何で私の時計がイノセンスなのよ・・・・・・・・・・っ!!
何で私は・・・」

さっき、アレンにチケットの売り場を聞きに来た女の子がミランダに近ずく

「あんたの時計がイノセンスなんだぁ」

何だ、こいつ・・・
なんでイノセンスの事を知っている?

『おい、お前は誰だ・・・』

女の子がこっちを見た
その目を見た瞬間頭が殴られたかのように痛くなり、膝をついてしまった

『ぐ・・・
ミランダ、逃げ・・・ろ!』

俺の意識はそこで途絶えた



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