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俺が次に目を覚ましたのは病院のベッドの上だった

「いいねぇ青い空
エメラルドグリーンの海
ベルファボーレイタリアン」
「だから何だ」

神田がコムイと話してるのを俺は壁に寄り掛かって見ている
コムイと言い合ってる神田を見るのは面白い

「世話になった」
『あ、神田終わった?
んじゃ、いこうぜ』

医者が煩いけどまあいっか
つーか、まだコムイと話してるとか、俺ひとり疎外感・・・

「で
何の用だイタ電なら切るぞコラ」

何の話をしているのか検討もつかない
暇だし、先行っちゃおうか?

『オーイ、神田
俺アレンのトコ先行ってるわ〜』
「はっ?
おい、待て」

風を切って走り出す
さぁ、向かおうアレンの元へ
途中にあった花屋で花を買っていく


そこで、神田が追いついた

「何してんだ?」
『見ての通り花を買ってるだけだけど?』
「その花をなにに使うかって聞いてんだよ!」
『聞きたい?

ひ・み・つ!』

神田はからかうと面白い
それから、3人でアレンの元へ向かう

「何寝てんだしっかり見張ってろ」
「!
あれ・・・?
全治5ヶ月の人が何でこんな所にいるんですか?」
「治った」
「うそでしょ・・」
「うるせェ」
『嘘じゃ無いよアレン
何故か、神田は傷の治りが早い
羨ましい限りだぜ、ほんとに』
「晃也だって、傷治ってるんでしょう?
早すぎですよ2人とも」
「・・・コムイからの伝達だ
俺はこのまま次の任務に行く
お前等は本部にイノセンスを届けろ」
「・・・・・・・・・わかりました」
「・・・・・・・・・辛いなら人形止めてこいあれはもう「ララ」じゃないんだろ」
「ふたりの約束なんですよ人形を壊すのはグゾルさんじゃないとダメなんです」
「甘いなお前は

俺達は〔破壊者〕だ〔救済者〕じゃないんだぜ」

神田が言ってることは、正しい
俺も、アレン見たいに悩み苦しんだ時もあった
だけど、そこから抜け出さないとあとに残っているのは、永久の地獄
永久に無限に捕われ続ける

「・・・・・・・・・分かってますよ
でも僕は」

話してる間にも歌われていた唄が今、止まった

「歌が止まった・・・」

俺はそっと人形に近ずく

「ありがとう
壊れるまで歌わせてくれて
これで約束が守れたわ」

人形はそう言って倒れた


『500年生き続け、歌い続けた
それは、どれ程の苦痛だっただろうか
そして、人間いやグゾルに合い、命をかけ唄った
俺は、人形いやララに会えたことを誇りに思う
安らかに眠ってくれ』

頭を下げ最後に花を置く

花屋で花を買ったのはただ単に気まぐれだった
だが、その花はとても2人に似合っていた


「神田、晃也・・・
それでも僕は誰かを救える破壊者になりたいです」



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