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「昔ひとりの人間の子供がマテールで泣いてたの
その子は村の人間達から迫害されて亡霊が住むと噂されていたこの都市に捨てられた」

眠い・・・
この話絶対長いし寝ててもばれないよな?
よし寝よう!

目を閉じたら人形の歌が聞こえた気がした


***

「テメェに大事なものは無いのかよ!!!」

うーん、煩い
神田の大声で起きてしまった

「大事なものは・・・
昔失くした

可哀相とかそんなキレイな理由あんま持ってないよ

自分がただそういうトコ見たくないだけ

それだけだ

僕はちっぽけな人間だから大きい世界より目の前のものに心が向く

切り捨てられません
守れるなら守りたい!」

良いこと言ってるなとは思うけど今はそんなこと言ってられない
だって、アクマに俺と人形達が腹刺されてるんだから
『がはっ』
「グゾル・・・」

人形達の前にいたからってアクマの気配に気づかないなんてとんだ失態だ
グイっと後ろに引っ張られる
その反動で体が吹っ飛ばされた

『げほっ、ごほ、がはっ』
「晃也!大丈夫ですか!?」
『あぁ、わりぃ
つーかあの糞やろぅにイノセンスがいっちまった』

〈イノセンスもーーらい!!!〉

あぁくそ、腹からの出血でクラクラする

〈ほおーー
これがイノセンスかぁ〉

AKUMAが人形からイノセンスを取り出し掲げながらいう
アレンはそれに怒り左腕のイノセンスが変化し始めた
造ったのは、銃だった

にしても、アレンは器用だと思う

だって、人間と人形に攻撃が当たって無いんだよ

俺なら無理だね
絶対当てる

〈そんなんで砂になってる私は壊せないよ〜〉


あっ、アレンがアクマに捕まった

〈ケケケ
捕まえた!
もうダメだもうダメだお前!

何回刺したら死ぬかな〜?〉

ドスドスドス

あのアクマ自分の腹を写し取ったアレンの武器で刺してやがる

〈ギャヒャヒャヒャ!!〉

「ウォーカー殿ーーー!」
しっかし、きたねぇ笑い方だな
うるせーし

ガキィイン!

〈ガキ・・・?〉

アレンが出てきた!

『あのアクマも、もう終わりだな
やっと、帰れる』

ぽそっと呟いた言葉は風に消えていった

ふと思ったことだが、アレンの武器とアクマの写し取った武器、どっちが強いんだろう


「グゾルは・・・
ララを愛してたんだ

許さない!」


〈く くそ
何でだ!同じ奴の手なのに・・・
なに負けそうなんだよぉ・・・〉

やっぱり、本物のが勝つよなぁ

俺のイノセンスも同じようなもんだけど、本物の80%位しか力出せないし、、、
いかに、工夫して使うか何だよね
こういう能力は

「ゴッ!?」

アレンがいきなり血を吐き出した

リバウンドか?
敵さんのいる前で隙見せちゃダメだって

〈もらった!!〉

キィン

「!?
神田!晃也!」
『アレン、敵に隙を見せたら痛い目見るぞ〜』

今、俺は神田と一緒にアレンをアクマから守っている

「ちっ
この根性無しが・・・
こんな土壇場でヘバってんじゃねェよ!!

あのふたりを守るとかほざいたのはてめェだろ!!!
お前みたいな甘いやり方は大嫌いだが・・・
口にしたことを守らない奴はもっと嫌いだ!

あと、如月!お前、俺の武器写してんじゃねぇよ!」
『いいじゃん!
減るもんでもないし!』
「は・・・は
どっちにしろ・・・嫌いなんじゃないですか・・・

別にヘバってなんかいませんよ
ちょっと“休憩”しただけです」
「・・・・・・・・・・・・いちいちムカつく奴らだ」

ギシャアア

おぉ!
神田が手振り上げたと思ったらアクマの手吹っ飛んだ!
さて、最後ぐらい真面目にやろうかな?

「「『消し飛べ!!』」」

〈エ・・・エクソシストがぁ〜〜〜〜!!〉

ドンッ

捨てぜりふを吐きながら壊れたアクマ

つーか、俺忘れてたけど、腹から血出し過ぎた気がする、、、
いまさらになって目が霞む
あ、倒れ・・・る・・・

そこで意識がなくなった


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