Fight rhapsody | ナノ




4

「え・・・?」

コーカスの体はある。それなのに、先ほどまで笑っていた顔がない。
おくれて、ごとりと何かがソリアのそばに落ちた。そちらを向くとコーカスの頭が見つかった。更に遅れて、首の断面から血が噴水のように噴出した。噴出した血はソリアの髪を、顔を、体を、服を一瞬で赤一色に染め上げる。
その向こう側に、奇怪な者が立っていた。
ソリアと目が合う。どさりと倒れたコーカスの体が倒れ、その者とソリアを遮るものはなくなった。
そこまで来て、ソリアは漸く悲鳴を上げられたのだ。

「っきゃあああああああああああああああああああ!!!」

それを聞いた者はにたりと口の端を吊り上げ、ソリアを見て、コーカスの骸を見て笑った。
けたたましい笑い声はソリアの脳を蝕み、恐怖を駆り立てる。
脳が信号を出す前に、ソリアはもと来た道を全力で走り逃げ出す。その者は追いかけてこなかったが、それでも足を止めなかった。




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