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「じゃあ、学校行ってきます。サリィ、また夕食でね」
「はい、いってらっしゃいませ」
サリィがにっこりと笑って送り出す。かわいいなあと思いながらソリアは学校へと駆け出した。
その途中、いつもの先例が飛んできた。後ろから飛んできた鞄をかわし、ソリアはその方向へ自分の鞄を投げる。今日の昼食は学食を食べるつもりなので弁当は入っていない。
「いってぇ!!」
悲鳴を聞いて、自分の鞄が直撃したことを実感したソリアは勝ち誇った高笑いをこぼした。
「おーっほっほっほ!!わたしに勝とうなんて100年早いよ!」
「っ〜〜〜〜、今日は勝てると思ったのによ・・・」
涙目になりながらソリアを睨みつけたのはこれまた同い年のコーカスだった。ソリアとは悪友で、学園内ではおそらく一番のひょうきん者だ。ソリアの着飾らない性格の原型はコーカスだろう。そして、彼女のとめどない好奇心を引き出したのも彼だ。
「ねね、今日は何して過ごす?」
「お前・・・学園に遊びにきてるんじゃねえんだから・・・」
「あら、君がそれを言うの?」
「・・・言えねえな!」
二人で額を引っ付け会い、笑う。ここまでは日常だった。
非日常に摩り替わったのは、刹那。
ソリアの目の前で、コーカスの顔がなくなった。
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