Fight rhapsody | ナノ




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「ソリア嬢、朝ですよ」
「んぅ〜・・・」

柔らかな、そしてひどく砕けた敬語がソリアの耳についた。

第四話 いたたまれないショッピング

「何があった」
「いしし、聞かんでやってくださいよ」
「お前に聞いてるんだが」

カインヴァルツは真っ赤に腫れたディーダの右頬を見て顔をしかめる。しかめ面を向けられたディーダは何処か面白いのかにんまりと笑う。そして、ディーダの頬が腫れている原因は真っ赤な顔で俯きながらトーストをかじっていた。

「まさかソリア嬢があんなに強いとは・・・読み違えましたよ」
「だって・・・顔近くてびっくりしたんだもん・・・」

もじもじと呟くソリアに、お嬢かわいーとディーダが茶化す。ますます赤くなってしまったソリアへの助け舟でも出したのか、それともたまたまなのかはわからないがカインヴァルツが口をはさんだ。

「今日は買い物に行くんだろう。さっさと支度しろ。連れていかんぞ」

それを聞いたソリアがあわててトーストを口に突っ込んでむせ返る。ディーダが苦笑しながらココアを差し出しているのを、カインヴァルツは面白くなさそうに眺めていた。


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テーマ「人外ファンタジー」
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