Fight rhapsody | ナノ




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今日はよく気絶する日だ。
とにかくショックなことが多すぎるのと、そのショックの一つ一つが大きすぎる所為。
今度目が覚めたら頭がすっきりしていますように。
あの惨劇が夢であってほしいなんて、もう願わないから。

第三話 その関係は

本日二度目の目覚めを、ソリアは安物のベッドの上で迎えた。
淡泊・・・というか殺風景な部屋に机とベッドが一つだけの何もない部屋。
白が目に痛い。ソリアは目頭を押さえた。
と、ドアからノックが聞こえた。どうぞとソリアが答えると失礼しますよっとディーダが顔を覗かせた。

「気分はどうですソリア嬢。まああまりよろしくはないんでしょうが」
「ディーダ・・・うん、大丈夫。思ったより平気」
「そうですか、そりゃあよかった」

ニコリとディーダが笑う。今しかないとソリアは思った。

「教えて、あいつらは何?」
「あ、やっぱりそう来ちゃいます?」
「お願い、家族と友達の敵なの」
「知って、どうするんですかい」

逆に聞き返され、ソリアは返事に詰まる。自分はどうしたいのか。
復習したいのか、自分が味わった表現するのも難しい感情を相手に押し付けるために自分も力を持つというのか。
カインヴァルツとディーダの、人間離れした殺戮能力を思い出す。少なくともこの二人は現段階では敵ではないはずだ。しかし、これからのことを考えた上で、彼らを容易に信用してもいいのか。
そんな子供の考えを、ディーダが見抜けないはずがない。

「感情が落ち着いて、ようやく現状を把握しようとしてるんですか。遅すぎです」
「・・・っ」
「で、なんですか?聞きたいのはやつらのことだけ?俺たちのこともききたいんですか?それとも助けでも求めてみますか」


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